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<東京本店新社屋に採用した技術 No.3>
2004年4月16日
新架構システムと施工の工夫
外殻ブレース構造などの採用により開放的なオフィス空間を実現
(株)竹中工務店東京本店新社屋は、開放的で機能的かつフレキシブルな執務空間を実現するため、独自の技術開発を行い、構造とデザインが融合した新しい架構システムを採用しました。また、施工面では、短工期に向けた工夫や環境配慮に取り組んでいます。工事は、4月16日現在、鉄骨工事を全て終了し、外装のPCa版の取り付けが70%完了しています。この新社屋への様々な取り組みのうち、今回は、新架構システムと施工の工夫にスポットを当て主要技術をご紹介いたします。
■ 新しいオフィス空間に適合した新架構システムの採用
コアを持たない開放的なオフィス空間を実現するために、スパンを10.8m×10.8mの正方形のグリッドにし、外周部に座屈補剛ブレ−スを配した「外殻ブレ−ス構造」としました。また、梁成(梁の高さ)を、大梁、小梁とも450mmに統一しています。
<構成技術@外殻ブレース構造>
「外殻ブレース構造」とは、建物の外周面に柱と梁とブレースを配置し、地震力に対する強度を主に建物の外周面(外殻)で確保する構造をいいます。執務空間内にブレースや耐震壁を設置する必要がないため、高い耐震性能を確保しつつ、開放的なオフィス空間を実現することができます。
ブレースには、当社が独自に開発した「竹中式座屈補剛ブレース」を採用しています。これは、角形鋼管の中に芯材としてH形鋼をセットしたもので、地震時にはこの芯材が座屈することなく安定的にエネルギーを吸収します。ブレースには一般的な耐震ブレースに加え、通常の構造用鋼材よりも柔らかくエネルギー吸収能力に優れた低降伏点鋼(LY225)を芯材とした制震ブレースを採用しています。
柱には、円形の鋼管内に高強度コンクリート(Fc60N/mm2)を充填した鋼管コンクリート柱(CFT柱・直径500mm)を採用しています。コンクリートと鋼管のそれぞれの特性の相乗効果によって高い耐震性能を実現しています。
<構成技術Aユニヴァーサル・フロア・ビーム>
今回の大梁と小梁の梁成を統一した鉄骨梁による架構をユニヴァーサル・フロア・ビーム(UFB)と名付けました。
梁成を450mmと低くしたことにより、梁を貫通させずに設備ダクトを梁下に配したにもかかわらず、フロア全体にわたって天井高3m以上の空間を確保します。
<構成技術BTOFT併用パイルド・ラフト基礎工法>
短工期、ローコスト、環境配慮に寄与する「TOFT併用パイルド・ラフト基礎工法」(直接基礎、杭と地盤改良を併用した基礎工法)という複合的な基礎工法を採用しています(本年2月24日既報)。
http://www.takenaka.co.jp/news/pr0402/m0402_03.html
<構成技術C浮き上がりを許容する構造>
建物の短辺側のブレース架構は、浮き上がりを許容する構造としています。これは当社が開発したステッピング制震構造を応用したもので、杭と基礎を緊結しない構造です。地震時に杭に作用する力を低減させることにより、杭材の損傷を軽減でき、また、杭や基礎などのコストダウンも図れます。
■ 個性的な外観の実現
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<構成技術@新感覚の研ぎ出しPCa版の開発>
個性的な外観を実現するため、新感覚の外装研ぎ出しPCa 版を開発しました。これは、所定の割合の白いライムストーンと透明な石英ガラスカレット(ガラスの粒)をPCa版に打ち込んだもので、コンクリート面に独特のテイストを付加します。特に石英ガラスカレットの特徴を生かすように表面仕上げに工夫をしました。
今回は、ライムストーンと石英ガラスカレットを用いていますが、他の素材を用いることで、様々なデザインニーズに対応できます。
<構成技術Aガラス枠が目立たない「新型ジッパーガスケットサッシュ」の開発>
デザイン性の高い外観に合わせて、PCa版面とガラス面を凹凸なく収めることができる面一タイプの「新型ジッパーガスケットサッシュ」を開発しました。
一般サッシュのようなアルミ枠をなくしてゴム製の留具(ガスケット)を採用し、PCa版面とガラス面をほとんど面一にするとともに、正面からの見え掛かり寸法を小さくしすっきりとした納まりを実現しました。
また、ガラスは省エネルギーに配慮して断熱性の高いガラス(Low-Eガラス)を使用しています。
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研ぎ出しPCa版の表面

研ぎ出しPCa版
研ぎ出しPCa版取り付け状況
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■ 施工面での取り組みについて
<取り組み@「New設計施工システム」への挑戦>
近年、建築主の工期短縮ニーズは極めて高いものがあります。今回のプロジェクトでは、当社の新社屋ビルという性格上、早い時期から関連部門が一体となり「New設計施工システム」に取り組み、10カ月というこの規模の建物としては極めて短い工期を実現します。
「New設計施工システム」とは、プロジェクトマネージャーの指揮のもとに、営業から、基本設計、詳細設計、資材調達、施工計画、施工までの流れの中で、各担当が情報を共有しながら、それぞれの機能を果すシステムです。これにより、各工程の効率的なラップ、主要資材の早期発注、実施設計の工数削減、仮設材の削減などが図られ、高品質でありながら短工期・低コスト建物を建設します。
このシステムは、設計施工の新しいモデルケースとして展開が期待されます。
<取り組みA環境に配慮した施工の実践>
施工においては、CO2排出量削減、ゼロエミッション推進、作業所における環境教育の徹底の3本柱で地球環境に配慮した活動をしています。CO2排出量削減については、低燃費重機の使用、アイドリングストップの徹底、グリーン調達などを実践し、
CO2排出量の計測も行っています。ゼロエミッションの推進は、余剰材を削減するための工場でのプレカット・無梱包等の徹底、混合廃棄物発生の抑制、リサイクルの徹底を図っています。また、新規作業所入場者への環境基本教育、ゴミ分別講習、省燃費運転講習などの環境教育を徹底して行っています。
その他、排出残土を削減する「TOFT併用パイルド・ラフト工法」、「パペット工法」の採用など、様々のシーンで環境に配慮した当社独自の技術を採用しています。
<取り組みB「視える化」と「見せる化」の推進>
当作業所では、日々の生産活動をASPなどを活用して、所員はもとより関係者が共有する仕組み「視える化」と、ウェブカメラによるリアルタイム映像の配信や工事報告の電子配信・HP化などによる情報公開を積極的に行う「見せる化」を推進しています。
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