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釿(ちょうな)

わが国では、古代から、釿は主に柱や梁など用材の荒削道具として使われてきました。 ヨーロッパなどでは、主に日本の鉞に相当する刃幅の斧(刃が柄と平行についている)で用材を削り仕上げしたといわれており、現在の釿の形は日本独特に発展した道具ともいえます。 近年、木造建築の減少、洋風建築の普及のため、大型の用材をふんだんに使うことがなくなり、大工道具として釿の出番は少なくなってきています。

釿(ちょうな)

釿のかたち

釿は、独特の湾曲をした柄に、刃が柄と直角になるように取り付けられています。
刃の形は、使用する地域によって少しずつ異なります。その中で、大工が使用するものは、主として両刃で、刃先がまっすぐなものと、内側に湾曲しているものがあります。
刃幅は、三寸から三寸五分位。柄は主としてエンジュでこしらえます。まっすぐな材を藤づるで縛って曲げ、乾燥させて、独特の曲線をつくります。

釿の刃

釿をつかう

柄を振り下ろし、その打ちつける勢いを利用して柄の刃先で、木材の表面を削り出すのが、釿の一般的な使い方です。
釿は、丸太から角材を削り出すような荒仕事の他、民家の小屋組の大きな梁に取り付く束部分、接合部の切欠きを大きくはつりとる仕事などにも使われていました。また、釿を使うと、独特の波状の削り肌を残すことから、名栗面(なぐりめん)という表面の仕上げかたにも使われています。

歴史的背景

釿は大工道具の生きた化石ともいわれ、古墳時代の鉄製の出土物にも見られる道具です。西暦紀元頃の登呂の遺跡の木製遺物にも釿で加工したような痕が残っています。
中世では、大木を打ち割ったあとの用材の仕上げに使われています。このようすは、社寺縁起絵巻に見られます。この頃は、座り込んで作業していたようですが、それは、釿の柄を固定する部分の強度が十分でなかったためと考えられています。

「松崎天神縁起絵巻」より
山口県防府天満宮蔵

釿始め

釿は儀式にも用いられています。釿始め(ちょうなはじめ)と呼ばれる儀式は、起工式で行われる場合と新年の仕事始に行われる場合とがあります。
どちらも、曲尺と墨さしで式材に寸法を取り、墨壷で線を引き、釿で材木にはつるという一連の所作を神前に奉納し、工事の安全成就を祈願します。

釿始め:匠家必要記