本文へジャンプ
  • お問い合わせ
  • english
  • sitemap

建物へのいろいろな工夫

パネル塗装

外装は、遠くから発見しやすい色として比較試験の結果オレンジイエローに決定しました。内装は、派手な赤色系では長期の禁欲生活で発狂した例が他国で報告されていたため、梁や内壁は冷静さを保ちやすい淡いブルー、間仕切や家具は木肌色としました。

パネル塗装

赤色表示灯

いったんブリザードがおきると1m先さえ見えなくなるほど視界が悪くなるため、建物のごく近くにいても迷子になってしまう恐れがあります。外出中にブリザードがおきても基地に戻る事ができるよう設けられた目印ランプなのです。

赤色表示灯

ドア

吹雪で建物の外側に雪が付いたり、万一建物が一夜で雪に埋まってしまった時など、ドアが外開きだと、雪に引っかかって開かなくなる恐れがあります。そこで南極の建物は外部へ通じるドアはすべて「内開き」です。

ドア

パネル目地

結合したパネルの目地は、より気密性を高くするために、仕上げに外側からコーキングで密閉されました。このコーキング材は冷凍防止のためにアザラシの肝臓の油を混入して作ったというまさに極地用の特別品なのです。

パネル目地

換気口

気密性の高い建物のため、換気には細心の注意が必要で、雪が吹き込まず室内の温度を極力逃がさずに、排気と新鮮な空気の取り入れが同時に行えるように二重構造の煙突が設計されました。また、清浄な空気のバロメーターとして空気の汚れに敏感なカナリヤも隊員の一員として越冬したのです。

換気口

コネクター

パネル相互はこのコネクター(締付金具)のみで結合されています。素人がブリザードのなかを6時間で組み立てられるようにくさび型金具方式を採用。細かい作業を無くし、厚い手袋をした隊員がハンマーで“打つ”という動作だけのワンアクション締付けを可能にしました。

コネクター

アンカー

この建物は特別軽量なため、ブリザードが起こると、風圧による横からの力が建物自体の重さよりはるかに大きくなります。同時に下から建物を浮かそうとする力が働きます。このため建物を地盤に固定するようにアンカーを打ちました。このアンカーは、地盤の種類によって岩盤・氷・雪用の3種類が用意されました。写真は岩盤又は氷用。

アンカー

家具

各個室はカプセルホテル並みの約2.5畳。間仕切を兼ねたロッカー・机・寝台で構成され、そのサイズはいずれも〈モデュロール:1=303mm〉を基準とする単位にのっとっています。これにより寝台は折畳むとロッカーの蓋となり、ロッカー自体が梱包箱に転用できるなど、船という限られた運搬スペースの有効活用にも一役かいました。

家具

脱出口

万一建物が雪に埋まって隊員が閉じ込められる場合を懸念して、 一棟につき2ヵ所、天井に非常用脱出口が用意されました。 実際はブリザードが強いため、積雪量は意外と少なかったようです。

脱出口

屋根梁

屋根梁は薄鋼板の精密な熔接でできており、簡単に組み立てられるよう 壁パネルの小口に差込んでセットするしくみです。

屋根梁

ホット・エア・ファーネス

暖房は建物ごとに灯油を燃料とする温風送風型暖房機を使用していました。 天井ダクトからタンパールーバーで温風を取り入れるという構造は現在普通に使われている空調技術のルーツでもあります。木造建築の中で火を扱う危険を避けるため、現在では発電機の余熱を利用した温水暖房に切替えられています。南極で一番怖いのが、外部から助けを得られない火災なのです。

ホット・エア・ファーネス

頑丈で断熱性を高め、なおかつ曇らないために、4枚合わせの強化ガラスの間に窒素ガスを充填しています。窓のない壁と窓付きの壁の熱貫流率を比較すると、30cm角の小さな窓をつけることで約8%断熱性能が低下してしまいます。しかし‘窓はできるだけ大きい方がよい’という越冬隊員からの切実な要望を取り入れ決められたのがこの大きさです。最近の窓は、この何倍もの大きさになっています。

窓

アイゼンを履いて歩けるように、床パネルの上にスプリントボードの複合材をのせ、リノリウムまたはアルミニウムで仕上げたクッション仕上げになっています。

床

床梁

床梁は屋根梁と同じ仕様のものが土台の上に2尺間隔で据え付けられ、隣り合う梁同士は横挫屈止めのターンバックル付きブレースで結合されています。

床梁

断熱材

パネル内部に充填する断熱材には、当時西ドイツで開発された独立気泡型スチロールが使われました。今では一般的になった素材ですが、日本で一番最初に導入されたのがこの基地建物だったのです。

断熱材

ゴムパッキング

パネル相互の結合部分の隙間をうめ、気密性を高くするためにゴムパッキングを貼りました。このゴムには低温においても適度な弾性を失わない特殊ゴムが使われました。

ゴムパッキング

壁パネル

最悪の場合ヘリコプターでも運べるよう、ヘリの搬出入ドアサイズが考慮され、4尺×8尺という大きさに決定しました。重量はあまりたくましくない(?)学者でも4人で運べるよう、1枚80kg以下に制限しています。より軽く、より硬く、耐水性に優れた部材として、芯材は尾州桧の北面材を使用、表面には樺のベニアを6枚重ねに接着した合板が採用されました。

壁パネル