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北海道トライアル

いきさつ

現代日本の南極学術探検を最初に提唱したのは、矢田喜美雄氏(故人、朝日新聞社記者)でした。矢田氏をプロモーターとして朝日新聞社は、自社の寄付金・南極国民基金の創設、財界・産業界への全国的な資金募集を行い南極学術探検北海道訓練計画(略して北海道トライアル)の実現を通じて政府・学会に働きかけたのです。日本の南極学術観測は、たった1人の新聞記者の発案から国家事業として実現したといっても過言ではありません。この北海道トライアルは南極観測実現のための重要なステップであり、そこでの貴重な経験は、実地観測活動に多くの教材を提供しました。当社は朝日新聞社の動きに呼応し「竹中工務店南極室」を設置。トライアルの設営企画・設計・建物製作へと、本格的な南極観測協力をスタートさせました。

いきさつ

目的

「今冬の北海道観測は極地同様の酷寒、強風、または氷の状態を求めることは出来ないとしても、それに少しでも近い条件で設営や観測のテスト、基地建設の訓練などを豊富に体験し、その結果を将来に生かそうと言うのが目的である」(朝日新聞南極事務局の発表文より)

訓練期間 昭和31年1月25日から3週間
訓練地 北海道網走市郊外涛沸湖
参加者 学者を中心とする南極派遣候補者及び設営関係者
目的

訓練用建物

訓練用建物に対する朝日南極設営委員会からの要望

1. 現地組立て施工は学者たち素人でも組み立て出来ること
2. 1つの部材は梱包して1ブロック100kg以下とすること
3. 壁・床・屋根には断熱材を入れ、隙間を作らないこと
4. 室内換気装置をつけること
5. 居住室は常に15℃を保てること
6. 暖房効率70%で自動温度調節機能付きの軽油暖房とすること
7. 寝室は個室とせず2段ベッドとし、居間と区分すること
8. ポリエステル等使用の窓をつけること
9. 部材のパネルは4尺×8尺、厚さ5cmを標準サイズとする
10. 外壁の色は建物が上空遠方から発見し易い色を決めるため、4面とも別の色で塗装すること

実際使用した訓練用建物(当社設計・施工)

1. 主住居棟(18ft×41.286ft≒約20坪、平屋)  鋼管架構構造・断熱パネル組立式
2. 観測小屋(12ft×45ft≒約15坪) カマボコ型鋼管架構構造・波板鉄板張
3. 発電倉庫小屋(12ft×30ft≒約10坪) カマボコ型鋼管架構構造・波板鉄板張
4. ラヂオ・ゾンデ室(12ft×9ft≒約3坪) カマボコ型鋼管架構構造・波板鉄板張
5. 便所(6ft×7.5ft≒約1.25坪、貯槽式) 組立型枠利用

成果

かくして、北海道トライアルは実施されました。コーキング材が寒さのため使用困難であったり、意外と素人による建設がスムーズにいったこと、断熱材の効果、色彩比較調節など、実際試行してはじめて判明した事実が数々ありました。当社は北海道トライアルで手に入れたこれらの貴重なデータを頼りに改良を重ね、ようやく本番用南極基地建物の開発にこぎつけたわけです。

トライアル風景

涛沸湖にて

涛沸湖にて

住居棟

住居棟

組み立て風景

組み立て風景

発電棟

発電棟

養生シート

養生シート

記念撮影

記念撮影