本文へジャンプ
竹中工務店

みなと医療生活協同組合 宝神生協診療所

  • t
  • t
  • t
  • t
  • t
  • t
  • t

設計担当者の想い

t

中村 幸恵 (旧姓:大関)竹中工務店設計部

同じ構成の形をずらして配置し、シンプルでありながら多様な空間体験を生みだすことを意図しました。正面の喧騒から守りながら外部とつながるという相反する要求を「隙間」によって実現しています。中の様子が見え隠れする内部と外部が曖昧になる中間領域をデザインしました。

プロジェクト概要

建築地 名古屋市港区
建築主 みなと医療生活協同組合
設計・監理 竹中工務店
建築面積 425㎡
延床面積 392㎡
構造/階数 鉄骨造/地上1階
工期 2008.11〜2009.3

壁を設け前後にずらす

当建物は、診療所とデイケアが併設する施設です。敷地はさまざまな用途が混在する地域であり、敷地の向かい側には運送業のトラックターミナルとパチンコ店が有り、後ろには変電所がある雑然とした場所でした(建築概要「敷地周辺の状況」参照)。
この状況で、「建物の中に心地良い環境を獲得するには、街並みに対しても良い影響を与えるには」と考え、喧騒(けんそう)から適度な距離を保つために、正面に対して壁が正対するような建物構成にしました。

「知の回廊」の完結

板状で、壁から屋根へと連続的に変わる同じ構成の形を、平面的・断面的にずらして配置するというシンプルな形態操作により、施設に来る人・前の道を歩いている人に対して斜めに視線が通り、建物が開いている印象にしています。
中の様子が見え隠れする変化のある空間体験をつくり出し、外部と内部が曖昧(あいまい)で一体と感じられる中間領域をデザインしました。

コミュニケーションの誘発

前の道を歩いていると、ある方向からは壁とR型の屋根しか見えない、ある方向からはガラスの開口面が多く中がよく見える、といった視覚的変化に富んだ空間になっています。「ずっと見えている」より、「見えたり隠れたり」する方が気になる存在になるのではないかと考えました。

明るく落ち着いた空間

内部と外部を分ける表皮のずれの隙間では、南側や高窓から光を取り込み、明るく落ち着いた空間を形成しました。
エントランスでは、隣の敷地の楡(にれ)の木を借景として取り込んでいます。その後ろの敷地には変電所がありますが、鉄塔などごちゃごちゃしたものが見えないように隠し、見せたいものだけ見せています。

設・構・備一体のデザイン

コンセプトである「健全な身体」を表現するものとして、建築の身体部分、つまり構造・設備の骨格を隠すことなく表現する「スケルトンデザイン」に取り組みました。特にオフィス天井については、模型・施工図・モックアップに至るまで、入念なデザイン検証を行いました。他プロジェクトへ、今後展開していく可能性があるアウトップットになったと思っています。

外外部と内部の一体感

各部ディテールについては、水平方向の透明性を重視し、シンプルなデザインと素材の限定を意識しました。フレーム(骨格)・ディテールにおいてコンセプトを一貫して踏襲することで、全体として強いメッセージを持った建築とすることを考えました。