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竹中工務店

新フランス大使館

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設計担当者の想い

吉本 大史竹中工務店設計部

敷地の最大の財産である豊かな森を日常で「見て、感じて、使う」ことができる、この敷地でしかできない「森のオフィス」を目指しました。鋭角と曲線でシャープに構成されたガラスとコンクリートのファサードを、自然光に満ちたアトリウムへと鋭く貫入させることで内部空間と森との一体化を図っています。

プロジェクト概要

建築地 東京都港区
建築主 フランス外務省,南麻布開発(株)
基本計画 ADPI
設計・監理 竹中工務店
建築面積 2,335㎡
延床面積 8,439㎡
構造/階数 S/B1,F5,P1
工期 2008.6~2009.10

アプローチスロープと「グリーンウォール」

日仏交流150周年を記念して、老朽化した旧「フランス大使館」を建て替える事業コンペが行われ、当社チームが受注しました。
建物の中央部分にあるアトリウムへアプローチする約50mのスロープに沿って、擁壁を立体的に緑化した「グリーンウォール」を技術研究所と協力して実現しました。植物が生育して下地の擬岩が完全に緑で覆われると、既存の森と一体化して文字通りの「緑の擁壁」が完成します。「グリーンウォール」と建物の狭間 (はざま)にあるウッドデッキのスロープを軽快なガラス庇(ひさし)で覆い、空と緑を見ながら歩ける空間としました。

ガラスとコンクリートのファサード

森に面する北面ファサードはガラス、その他の面はコンクリートとしました。2つの素材が取合う部分は、それぞれの「面」が強調されるシャープなディテールとしています。PCa板には粒径の異なる花崗岩(かこうがん)と石灰石(寒水)の砕石を打込み、表面を水磨きしました。ヨーロッパ基準の断熱性能を持つペアガラスを入れたカーテンウォールは、開閉部とはめ殺し部を同じ見付けとし、外観もインテリアもスッキリと見せています。

アトリウム

エントランスホールのあるアトリウムは、屋根が全面トップライトの光があふれる「お迎え」の空間とし、各階の通路からはガラス越しに森の緑を見ることが出来るようにしました。PCa板が、さまざまな角度でガラスファサードを突き抜けて内部へ入り込み、ダイナミックな空間をつくっています。
トップライトには自動制御の換気口を組み込み、ファサードに内蔵した換気スリットと連動することにより、チムニー効果を利用した自然換気が可能となるようにしています。

アトリウム階段

アトリウムに面した鉄骨階段は、軽快さを追求したデザインにすると同時に、手や足の触れる部分には木を使って温かみを出しています。建物の構造体を兼ねた三角断面の1本梁(はり)が階段を更に軽く見せ、カーテンウォールの風圧を階段の梁に受けさせてバックマリオンを省略することにより、ファサードの透明感も増しています。

外部テラス

職員の憩いの場として、また、パーティーなどの利用を想定し、アトリウムと一体で使えるテラスをつくりました。豊かな森に面したこのテラスで聞こえる音は鳥や虫の声のみで、都心のど真ん中にいることを忘れさせてくれます。森を抱くように緩やかにカーブを描くガラスファサードが鏡のように森を映し、建物がランドスケープに溶け込むようなデザインとしました。

大使オフィス

大使はもちろん、約200人の大使館職員の方たち全てが、素晴らしい森のビューを楽しみながら執務が出来るプランとしています。窓を開ければ、好きな時に森の空気を室内に取り込め、2.9mの天井高、細い丸柱、全面ガラスのファサードと相まって、高い開放感が得られるようにしました。家具・什器(じゅうき)・備品を含め、インテリア全般も本工事として当社が設計施工で手掛けました。