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竹中工務店

トヨタカローラ新大阪本社

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設計担当者の想い

倉田 悦男竹中工務店設計部

カーディーラーの本社としての、ショールーム、整備工場、駐車場、事務所の複合建築です。
大阪の大動脈・新御堂筋の高架を行き交う通過交通に対してはショーケース的空間となる「空中ステージ」を構築し、また高架下レベルには、外壁面のセットバックにより、周辺環境に開かれた開放的なオープンスペースとショールームを創出しました。高架との関係をむすぶ空中ステージが、通過交通と街並を結ぶ、新たな都市景観となることを願っています。

プロジェクト概要

建築地 大阪府大阪市淀川区東三国
建築主 トヨタカローラ新大阪株式会社
設計・監理 竹中工務店
建築面積 1,809㎡
延床面積 11,247㎡
構造/階数 S/B1,F7,P1
工期 2008.7~2009.8(1年・1月)

新しいタウンスケープ

当敷地は、大阪の大動脈・新御堂筋に対面しています。新御堂筋の上には、自動車道と地下鉄・御堂筋線の高架が並走し、全国でも有数の交通量を誇ります。
本社機能として、ショールーム・整備工場・駐車場・事務所をビル単体に集積し、多様な空間のハイブリッドを目指しました。その中で、高架のレベルには行き交う車両や電車に向けたショーケース的空間となる空中ステージを構築し、また高架下のレベルには、外壁面のセットバックにより、周辺環境に開かれた開放的なオープンスペースとショールームを創出しました。

高架に開放された空中ステージ

これまで、隣接する旧社屋(写真右)では高架を走る車両や電車から地上階のショールームが見えず、新たなアピールが必要でした。そこで今回、高さ13m、幅27mの鉄骨ルーバーで縁取られた、空中ステージを高架に向けて開放しました。
鉄骨ルーバーは吊(つ)り構造とすることでスリムな鉄骨架構を実現し、同時に最上階のオフィススペースへの日射を制御しています。高架に開かれたステージからは、新御堂筋のダイナミックな流れを見渡すことが出来ます。

視線が通り抜ける内外空間

空中ステージを備えた上部の建築ボリュームが、高架の土木的スケールに対応した力強い構造体を表現しているのに対し、下部は、ヒューマンなスケールと素材感を持つ空間としました。外壁のセットバックやピロティにより、外周部にオープンスペースを積極的に設けています。そしてガラススクリーンを通して、外部からショールームへ視線が通り抜け、奥行きと広がりを感じられる空間を確保しています。

ショールーム

ショールームは天井高さ9.1mとし、外部のオープンスペースに向けて開放的な空間としました。天然木・素焼ボーダータイル・ランダムパターンの床タイルなど、素材感と温かみのあるインテリアとし、無彩色な街並みの中に色彩を添えました。
吹き抜けに浮かぶ全長30mの壁面には、兵庫県産天然杉の間伐材30mm角をルーバー状に取り付け、柔らかい陰影を映し出しています。このショールームのシンボルとして、また里山振興への貢献につながることを期待しました。

ショールームと一体感を持つ整備工場

多様な用途の空間を互いにつなぐことで、心地良く視線が通り抜け、奥へ進むごとに期待感が生まれる空間を求めました。
例えば、ショールームと隣接する1階整備工場(写真右)を高さ4mのガラススクリーンで連続させることで、整備工場自体が展示となり、そのメカニズムと作業風景を楽しく見通せる一体感のあるものとしました。お客様は車が整備されるシーンを、目前で楽しみながら時を過ごすことが出来ます。

織り込まれた素材のコンポジション

「自然と車の共生」という建築主の想いを踏まえ、駐車場階の外装には再生木ルーバーを用いると共に、1階ショールームでの間伐材利用、屋上への太陽光発電パネル設置など、随所に環境への配慮を表現しました。
こうした各所に配置した多様な素材を線材に統一し、それぞれの表情からもたらされる陰影を縦横に織り込むことにより、空間全体を調和させています。