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竹中工務店

新日本製鐵君津製鉄所本館

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設計担当者の想い

宮下 信顕竹中工務店設計部

年間3万人以上が訪れる製鐵所見学はここから始まります。1000万㎡を超える広大な敷地において、「鉄の輝線スペクトルの表出」というある種漠然とした文脈の中でも自律する抽象度の高いコンセプトと、形鋼を浮遊させた彫刻的フォルムによって「STEEL PLOFILE」を可視化することを意図しました。

プロジェクト概要

建築地 千葉県木更津市
建築主 新日本製鐵(株)
設計・監理 竹中工務店
建築面積 4,231㎡
延床面積 12,734㎡
構造/階数 S/F4
工期 2008.12〜2009.10

配置計画・全体形状

1,000万㎡を超える広大な敷地を持つ、新日鐵君津製鐵所全体の新たな司令塔となる本館は、災害復旧拠点としての機能も満足すべく、マウンドに免震層を内蔵した「大地に浮かぶオフィス」としてBCP(事業継続計画)に配慮し、省エネ・塩害対策も踏まえた建物としました。1階は見学者・外来者対応スペース、2〜3階は執務スペース、4階はVIPの迎賓エリアという階構成としています。
デザインコンセプトは「鉄のプロファイル」とし、鉄を取り巻く環境を可視化することで、業界のリーディングカンパニーとしての企業イメージの表出を意図しています。

外装計画

大地に浮遊するインゴット(型鋼+ダイスマーク)と鉄固有の輝線スペクトル」を形態のモチーフとし、その輝線スペクトルのリズムに従い、外装には2種類のリブ付きパネルと平板を配置し、濃淡2色の塗料と小庇(こびさし)などを組み合わせることにより深い陰影を創り出しています。
また、型材の断面に従って外壁を4度傾けることにより、スカイラインのエッジを際立たせながら、汚れ防止効果も意図しています。

外装計画

インテリアには、新日鐵及びグループ会社の新商品を仕上材として積極的に使用し、「鉄」が拓(ひら)く新たなデザインの可能性を示しています。
例えばゲスト動線となる廊下には、普段プラスターボードの下地として使用する軽量鉄骨(LGS)を仕上材として転用しました。一般的な亜鉛メッキ仕様のLGSと、新日鐵が新規開発した高耐食性メッキ鋼板(スーパーダイマ)の2種類を輝線スペクトルのリズムに従って配置することで、その表面光沢の微妙な差異が新たな質感を生み出し、空間全体で来訪者が新日鐵のアイデンティティを体感出来るよう意図しました。

外装計画

天井には、シームレスラインによる照明をランダム配置してスペクトルのスピード感を表現し、床面には鉄鉱石をイメージした家具を配置しています。
エントランスにつながる光庭の下部をトップライトとし、その採光用パンチング板には、通常屋上のメンテナンス歩廊用として使用される製品(ファインフロア)を転用しました。また、その製造過程に出る円形の廃材を階数表示やルームナンバーなどのサインに使用するなど、エコロジーにも配慮した計画としています。

外装計画

執務空間の骨格は、当社の東京本店社屋を水平展開したものとなっています。スパンは10.8mグリッドとし、中央のスパンには、光庭に面してコミュニケーションスペース・階段・リフレッシュコーナーなどを分散配置しました。
丸柱には新日鐵が新規開発した高降伏点鋼を採用しています。ワークステーションにはユニバーサルレイアウトを採用し、無線LANを組み合わせた快適なワークプレイスを実現しています。

外装計画

4階のVIPエリアには、国内のみならず海外からの要人も持て成すべく、食堂・応接・ラウンジ・屋上庭園などの迎賓機能を集約しています。日本を代表する企業の「品格」を追求すべく、光と影が重層する繊細な空間を目指しました。天井の紫色は、日本の伝統色である藤色に新日鐵のCIカラーを重ね合わせ、「JAPANESE DNA(日本固有の美意識)」の象徴としています。