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竹中工務店

慶應義塾大学病院3号館南棟

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設計担当者の想い

千場 忍竹中工務店 東京本店 設計部

2004年の設計競技で当社が選ばれてから竣工まで8年の歳月を要したプロジェクトですが、最後まで携わることができました。解体された既存建物(1932年竣工、曾禰中條建築事務所設計)に代わって、慶應義塾の新たな歴史を印す建物になればと願っています。

プロジェクト概要

建築地 東京都新宿区大京町30
建築主 (学)慶應義塾
設計施工 竹中工務店
建築面積 2,996㎡
延床面積 13,180㎡
構造/階数 RC/F6
工期 2011.2~2012.4

人と環境にやさしい病院

当建物は、2017年に創設100周年を迎える慶應義塾大学医学部の「先進医療と予防医学の実践の場」として、画像検査施設や健診施設、病棟などで構成されています。

敷地は緑豊かな明治神宮外苑に面しており、計画では最先端の医療を支える機能性に加え、患者さんへの癒しの提供と環境や景観への配慮が求められました。

最先端の医療を支える構造システム

東西のコア外壁と屋上にある設備機械のための目隠し壁に耐震性を持たせ、井桁状で建物全体に被せる「耐震フレーム」を用いた構造システムを開発しました。

これにより内部の耐震壁を無くし、プランニングに高い自由度を持たせました。更に建物中央部分は梁の無いフラットスラブとして、日々進化する医療機能に合わせ柔軟に設備機器をレイアウトでき、機器の更新がしやすい計画としています。

扁平柱と水平フィンの外観

「耐震フレーム」に水平力を負担させることで、建物外周部の柱は細い扁平な断面となり、更に柱型が室内側に出ない構造にすることが可能となりました。この「外周扁平柱」の特徴を生かし、南北の外観は柱型と水平フィンによる陰影のある端正な構成としました。柱型が室内側に出ないため、柱に制約されることなく家具のレイアウトが可能で、水平フィンにより日射を抑制しながら、病室のベッドからの眺望も確保できるようにしています。

高品質の化粧打放しコンクリート仕上げ

構造体をシンプルに力強く表現するため、内外装ともにコンクリート化粧打放し仕上げに挑戦しました。当社のコンクリート施工技術を駆使し、高品質の化粧打放し仕上げとなり、患者さんや病院スタッフにも従来の病院のイメージを払拭する出来栄えであると評価を頂いています。

癒しを提供する環境づくり

建物全体はコンクリート化粧打放し仕上げで構成していますが、人間の感覚に近い部分となるインテリアは、廊下の手すりやストレッチャーガードも含め、木や石といった天然の素材だけで構成し、病院を訪れる人の心が癒されるような環境づくりを目指しました。
エントランスのラウンジは、天井の天然木練り付けルーバーの上部をLEDの間接照明とし、木を通して柔らかな光が降り注ぐ空間としています。

健診施設のホスピタリティー

慶應義塾大学が追求する「予防医学」の実践の場として、ホスピタリティーの高い健康診断施設が求められました。

来院者を迎えるロビーは、扁平柱と間柱をホワイトバーチ材で仕上げ、リズミカルに並ぶ木パネルの間から緑豊かな眺望を切り取っています。照明は LEDの吊り下げ型器具を開発し、木と柔らかい光の演出で、人間ドックの受診時にくつろぎのあるひと時を過ごせる空間を目指しました。