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竹中工務店

京都文化医療専門学校

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設計担当者の想い

大平 滋彦竹中工務店 大阪本店 設計部

世界遺産二条城に面した敷地において、外部から内部へ、玄関から奥の間へ、下階から上階へとつながっていくシーケンシャルな空間構成の中に、見え隠れする内庭や京都の風景を取り込むことで、現代建築における日本建築の奥性の新たな展開を試みました。

プロジェクト概要

建築地 京都市中京区御池通堀川西入池元町408‐1
建築主 (学)未来学園
設計施工 竹中工務店
建築面積 1,021㎡
延床面積 3,912㎡
構造/階数 S/F4
工期 2012.8~2013.2

シンプルな格子の構成

当建物は、日本の伝統・文化・歴史を学ぶことを通じて「『日本人としての心』を軸にした、ホスピタリティーあふれる人材を育成する」というコンセプトを持つ学校の校舎です。

建物を覆う縦格子は、隣接する二条城の和瓦や石垣になじむ素材感を持つ、溶融亜鉛メッキりん酸処理仕上げとしました。1~2階に設けた軒庇は、格子の構成の中にシンプルに組み込んでいます。この格子の内側にはバルコニーを設置し、外観に奥行きを与えながら日射を制御するとともに、空調室外機の置き場として使用することで、省エネルギーやメンテナンス性の向上など、環境配慮にも大きく貢献しています。

露地庭のアプローチ

登校した学生は、敷地境界の白い高塀の木格子戸をくぐり、露地庭を通って建物のエントランスへと進みます。つくばいの水や、四季折々の茶花の香り、生垣の葉音を感じながら石畳の上を歩むことで、次第に学びの場へと気持ちを切り替えていくことができるようなアプローチを狙いました。

露地庭に面するエントランスロビー

露地庭に面して配置されたエントランスロビーは、庭の風景を透かす格子や、墨色のタイル壁、光天井などの要素によって、あえて学校らしくないしつらえとなっています。ここでは、専門的な知識・技術とともに京都の伝統文化を学ぶという学園の理念に導かれた、静寂な空間を創ることを目指しました。

奥へとつながる空間構成

木格子壁やエレベーターシャフト、内部へと入り込んだ光庭が、スペースを緩やかに区切りながら、エントランスホールから奥の図書室へと、空間をつないでいます。

光庭に近接する各階のエレベーターシャフトは、全てガラススクリーンにすることで、内部へ光と風景を取り込みました。

光庭と透けた階段

北向きに開かれた光庭と、透けたディテールの階段は、ガラスシャフトのエレベーターとともに、建物構成の機能的な結節点になっています。

光庭には、元々この敷地にあった灯篭(とうろう)と庭石を再配置し、過去の 記憶をとどめるようにしました。

文化を学ぶ和のスペース

最上階の4階には、京都の伝統文化を学ぶための多様な授業に対応できる90畳の大広間とホワイエ、茶室として使用できる8畳の和室を配しました。

二条城を眼下に望む大広間は、畳を取り払うことで、板張りの講堂としても利用できます。かき落し調の仕上げとしたホワイエの砂壁は、外部からの光を静かに受け止め、訪れる人々に心の安らぎを与えてくれます。