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竹中工務店

明石リハビリテーション病院

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設計担当者の想い

森 康郎竹中工務店 大阪本店 設計部

普段から建築雑誌を購読されるほど建築が大好きな理事長先生と、膝を突き合わせて意見交換をしながらの設計でした。最初に描いたスケッチにより、スタート時からしっかりとイメージを共有できたことが、その後のプロセスをクリエイティブなものにしたのだと思います。

潮崎 有弘竹中工務店 大阪本店 設計部

納まり図の検討や、1階外壁部リブ付きRC壁の原寸サンプルの製作などにも作業所の協力を得て、設計・作業所一体でデザインのつくり込みができました。また外部のアーティストによる、地域に生息する植物を扱った陶板アートなどの設置も加わり、豊かな療養空間が生まれました。

プロジェクト概要

建築地 兵庫県明石市二見町西二見685-3
建築主 (医)伯鳳会
設計施工 竹中工務店
建築面積 2,286㎡
延床面積 6,033㎡
構造/階数 RC/F3,P10
工期 2012.1~2012.9

リハビリに活用される立体的な中庭

回復期にある患者さんがリハビリを行う病棟を中心とした、97床の病院です。患者さんの自立生活への復帰意欲を覚醒させるべく、明るく開放的で、五感を刺激する空間を目指しました。

病棟はダブルコリドー形式とし、中央に現れるリニアなボイドを立体的な中庭として設えました。1階から屋上まで大きなステップでつながる中庭は、患者さんが適度な負荷を感じながらリハビリするスペースに活用されます。歩行時のさまざまな感触による刺激で効果を上げるため、素材の異なる床材で構成し、フラットかつシャープに納めました。

明るく開放的な病室

病室は廊下側にガラススクリーンを設け、中庭からの自然光を採り入れるとともに、廊下で行われるリハビリの様子を室内にいる人からも見ることができるようにしました。患者さんが病室に閉じこもることなく、明るい気分でリハビリへの意欲を高めてもらうための工夫の一つです。

縁側のような緩衝空間

廊下の中庭側だけでなく、病室側にもガラススクリーンを配したことで、縁側のような、内部と外部をつなぐ中間領域が生まれました。この緩衝空間によって、中庭が内包化された外部空間として入れ子状に重層し、患者さん同士の視線の交錯が生まれ、お互いの励みが引き出されることを狙いました。

「見え隠れ」するアプローチ空間

エントランスアプローチは、ガラスやルーバー、植栽などが生み出すさまざまな密度の空間のレイヤーが重なり、中庭の様子が「見え隠れ」し、「奥性」を感じさせるような空間を目指しました。

律動を与える窓デザイン

建物全体は、外周を扁平(へんぺい)柱で連続させた構造によって耐震要素を持たせ、中庭側に大きな壁などの無い、内に向かって開かれた構成としました。この扁平柱は、柱型の出ない病室を実現するとともに、彫りの深い縦長の開口を形成しています。リブやガラリカバーなどの要素を伴って、住宅地における外部の視線を制御するには有効な形状でした。またこの開口部のモチーフを反復させるミニマルパターンは、建物全体に端正な律動を与え、周辺の住宅地に対する圧迫感を抑えることにも寄与しています。

街区につながる共用空間

街並みに対してはやや閉じた表情の建物としながらも、妻面をガラススクリーンにすることで、中庭を中心とした建物の断面構成をあらわにし、吹き抜けのリハビリ室など内に開かれている共用空間を街区に連続させました。