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竹中工務店

石福金属興業名古屋営業所

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設計担当者の想い

安藤 寿孝竹中工務店 名古屋支店 設計部

左右を建物に挟まれた間口約6m、奥行25mという特殊な敷地条件のなか、設計・構造・設備、技術、作業所それぞれがアイデアを出し合い、この土地であるからこそできる「豊かさ」を追求しました。初めて担当するプロジェクトであり、細部まで想いを巡らせ、多くの人に支えられながら完成させた当建物は、建築主や利用者の方々に喜んで頂くことができました。

プロジェクト概要

建築地 名古屋市中村区名駅5-22-10
建築主 村田興産(株)
設計施工 竹中工務店
建築面積 118㎡
延床面積 302㎡
構造/階数 RC/B1,F2
工期 2012.7~2013.3

会社の顔づくりと防犯を両立するファサード

工業用から医療用まで幅広く貴金属の製造販売を行っている建築主による、名古屋の水運を支えた堀川沿いの間口約6m、奥行約25m、高低差約2mの敷地に建つ営業所の建替計画です。

山高38mmの波型有孔アルミパネルを建物の正面に纏(まと)わせることで、企業の個性的な顔をつくると同時に防犯機能を両立させました。アルミパネルの曲げの限界と建物間口を合わせたシームレスなファサードが軒天まで連続し、建物内部へとお客様を迎え入れます。

広がりを感じさせる空間構成

隣接する古い土蔵への影響を最小限に抑えるため、既設建物の地下外壁を山留に利用し、その内側に地階を新設する計画としました。

限定された外寸の中で最大限の気積を確保するため、構造は極限までスリムにした扁平(へんぺい)な柱梁ラーメン架構とし、更に高低差のある敷地の特性を生かすスキップフロアと吹き抜けを組み合わせることで、縦から横へと広がりを感じさせるひとつながりの空間としました。

「豊かさ」を内包させた空間

スリット開口から自然光が差し込む明るい吹き抜けに、フラットバーで構成した軽快な立体トラス階段を渡し、コミュニケーションとアクティビティを誘発しています。

貴金属を取り扱う営業所の来客用の設えとして、「鉱物」や「地層」を想起させる凹凸のあるタイルを壁面に用い、これに「木質感」を加えて温かみや安らぎを感じさせる豊かな空間としました。

設・構・備の調和

扁平のラーメン架構は、壁内蔵梁及び逆梁でつなぎ、連続する門型のフレームとして表に出しリズムを刻む意匠としています。架構に合わせた造作棚の内部に空調機・ダクトを配置し、更に照明を梁の側面、見返し側に取り付けることで目に入る要素を減らし、端正な空間としました。

建物と街・人をつなげる

日が落ちるにつれて建物内外の明るさが反転することにより、正面の波型有孔アルミパネルの透明度が増していき、奥行方向に1,500mmピッチで連続する門型のフレームの構成が見えてきます。

旧営業所がこの場所で築いてきた街と人との関係を大切にし、緩やかにそれらがつながる状態を創出しました。

不変の価値と社会を結ぶ

3世代の社屋に受け継がれた会社設立時の木看板と、新たな立看板を並置することで、歴史を継いでいます。新たに設置した大きな立看板は、車からでも視認できる案内サインであり、組み込んだモニターから状況に応じて自在に営業所の情報を社会へと発信します。