本文へジャンプ
竹中工務店

天神モノリス

  • t
  • t
  • t
  • t
  • t
  • t
  • t

設計担当者の想い

川建 康竹中工務店 九州支店 設計部

コンペから竣工まで11カ月間という非常に短い工程でしたが、営業部門や作業所、大阪本店設計部との協業による組織力で完成させることができました。当社の想いを込めたこのチャペルで式を挙げた新郎新婦が、幸せになることを願っています。

プロジェクト概要

建築地 福岡市中央区長浜1-1-12
建築主 (株)ノバレーゼ
設計施工 竹中工務店
建築面積 1,263㎡
延床面積 2,244㎡
構造/階数 S,RC/F3
工期 2012.3~2012.8

都心に浮かび上がるハレの場

九州支店から徒歩5分、福岡市中央区の天神北エリアに位置する結婚式場です。全国展開を図る建築主が九州に初進出し、今後の足掛かりとする2バンケット+1チャペルの施設です。

オフィスビルや立体駐車場などが林立する幹線道路沿いに、“ハレの場”を演出する別世界の構築が求められました。そのため、周囲とは一線を画す特徴のある外観を目指し、ルーバーの壁面を背景に茶褐色の鋼板に覆われたマッスが浮かび上がる構成としました。

バンケットを内包するこの大きなボリュームをあえて無表情にすることで、「中に何があるのだろう……」と見る人の想像力をかき立てることを意図しました。

更にエントランスは角地の特性を生かしてコーナーから建物に入る構成とし、グリッド状に並ぶ周辺の“日常空間”から斜めに貫入することで、“非日常”の始まりを際立たせる効果を狙いました。

光あふれる開放的なロビー

結婚式を開放感あふれる空間で挙げられるように、それぞれのバンケットに水と緑の中庭を組み込むことで、都心にありながらも自然を感じられる豊かな空間を実現しました。限られた敷地の中で要望のあった空間をずらしながら重ね、このロビーをはじめどこにいても中庭を感じるコンパクトな構成としています。

光から生まれる空間

チャペル及びバンケットの主要な3室は点・線・面の3要素を用い、「点から線へ」「線から面へ」というように重層的なデザインの展開を図ることで、部屋ごとのつながりを感じつつ変化に富んだ特徴のあるインテリアとしました。

チャペルは原初的で純粋な空間を構築するため、“点”として捉えた光をモチーフとしました。繭のような形状ですが、これは新郎新婦に降り注ぐ光が二人を祝福する人々へと広がる様子をイメージし、そのまま形にしたものです。

球や楕円などの純粋な幾何形ではなく、ここにしかない形、ここにしかない空間を目指しました。

緑のバンケット

1階のバンケットは“線”をモチーフとしました。壁と天井に木調のルーバーを全面的に用い、床はそれらに呼応するボーダーのデザインとしています。前面に緑の中庭を配し、繊細で端正な“線”のインテリアと調和させ、祝福の空間を引き立てることを意図しました。

水のバンケット

2階のバンケットは“面”をモチーフとしました。天井いっぱいに4枚のプレートを風車状に配し、また漆塗りを思わせる濃紫色の大きな壁面としました。前面に水の中庭を配し、“面”に反射しながら室内に入り込んでくる水の景色がイ ンテリアをより一層あでやかなものとすることを意図しました。このバンケットでは、披露宴のクライマックスに大きな水柱が上がる仕掛けも施しました。

特殊RC造のチャペル

チャペルは、居室としては当社初の試みとして、三次元形状を保持するトラス筋と軽量コンクリートによる特殊RC造を採用しました。繭のような丸くて柔らかな空間を実現するためにあらゆる工法を検討した結果、この構造にたどり着きました。

作業所のほか関係部門の後押しによる新工法へのチャレンジが新しいチャペルの実現に結び付き、お客様に大変満足して頂くことができました。