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竹中工務店

和歌山信愛中学校・高等学校

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設計担当者の想い

平岡 健太郎竹中工務店 大阪本店 設計部

全ては生徒のため、未来の可能性を開くためと、一つひとつ細部に至るまで、教育方針と同様に“トコトン”こだわり、5年の歳月を掛けて完成しました。先生方の生徒に対する強い「想い」を、ここにしかないミッションスクールの「かたち」として実現できたと感じています。

プロジェクト概要

建築地 和歌山市尾形町2-23
建築主 (学)和歌山信愛女子短期大学
設計施工 竹中工務店
建築面積 2,975㎡
延床面積 12,485㎡
構造/階数 RC,SRC,S/F5,P1
工期 2010.9~2013.2/td>

「どこでも学べる場」の創造

当プロジェクトは、フランスの修道会を母体とした女子ミッションスクールの建替計画です。密集市街地において周辺との関係に配慮しながら、自然を感じる多様な場を創出し、知性と感性を豊かに育む「どこでも学べる場」の創造に取り組みました。

外周のファサードは、西日の日射制御とプライバシーに配慮して開口を絞り、幅が異なるスリット窓が千鳥状に並ぶ構成としました。中央のシンボルタワーは、地域で長年親しまれていたものを継承したマリア像と、そこから流れるせせらぎを表現したステンドグラス、そして足元の水盤により、キリスト教の聖地「ルルドの泉」を表象しています。

外部へ「閉じながら開く」

奥行のあるスリット窓は、方位と卓越風の風向に合わせて、その奥行き部分の片側を斜めにし、開口を絞りながら光と風を取り込む形状としました。また、千鳥状に開口部が並ぶ壁面は、その全てを構造体として活用した柱型・梁型の出ない新しい構造形式で実現しました。外装は、目地塗り込みのタイル張りとし、素材感のある柔らかい仕上げで飽きのこない落ち着いた表情としました。

対話を育む

日射制御とプライバシーに配慮して建物外周にしつらえた廊下は、多目的に利用できるよう、幅3.6mと広くしました。単なる動線ではなく、ランダムに並ぶ開口部から入る色とりどりの光に包まれて、生徒同士や先生方とのコミュニケーションを誘発する場となっています。

教室と廊下にはシーリングファンを設置し、温熱環境を均質に制御して空調負荷を低減するとともに、暑さはもちろん、年間を通じて女子生徒たちを冷えから守るよう配慮しました。

自然に触れる

教室と校庭の間の中庭に回廊を巡らせ、校舎に回遊性を持たせるとともに、校庭との緩衝帯の役割を持たせています。また、教室の校庭側には日射の遮蔽(しゃへい)を兼ねたバルコニー、動線の結節点にはテラスを点在させ、学校生活のなかでより身近に自然の変化を感じられるよう配慮しました。

キリスト教を感じる

階段室には、1~5階の壁面全体を垂直に貫くスリット状のステンドグラスを設置しました。聖地「ルルドの泉」のせせらぎをモチーフにした厚みのあるステンドグラスを通った光が、時に柔らかく、時にダイナミックに内部に映り込み、時々刻々と変化しながら、さまざまな表情を見せてくれます。

静けさを感じる

来客用エントランスホールは、来校者を最初に招き入れる空間として、キリスト教の精神性と学校の規律正しさを感じてもらえるよう、キリストの生誕を描いた象徴的なステンドグラスを中心に配し、それ以外の要素を極力排除した、静かな祈りの空間としてしつらえました。