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竹中工務店

TANIXビル(住友電装本社ビル)

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設計担当者の想い

上河内 浩竹中工務店 名古屋支店 設計部

建設地の厳しい環境条件を克服しながらデザイン性を追求し、働く場として新しい価値を生み出すという難しい課題解決が求められたプロジェクトでした。設計及び他部門の関係者・作業所が一体となってこの課題に対して知恵を絞り、その回答自体が建物の特徴となったデザインを実現することができました。

プロジェクト概要

建築地 三重県四日市市浜田町65
建築主 谷口石油(株)
設計施工 竹中工務店
建築面積 817㎡
延床面積 6,632㎡
構造/階数 S/F10,P1
工期 2012.4~2013.3

環境制御=企業の顔

地方都市にある世界的電装メーカーの本社ビルです。敷地長辺が西向きで、近鉄四日市駅と線路の高架に面するため、日射と鉄道からの騒音・視線を制御する必要がありました。

執務エリア西面には、多目的バルコニーと共用機能を配置し、バッファーとしての空間的奥行きを確保しました。更に、西日制御・卓越風の利用・視線の抜けを考慮したピッチと角度を持ったルーバーを重ね合わせ、環境制御の仕組みがそのまま企業のブランドイメージとして浮かび上がるようなファサードデザインとしました。

従業員をつなぐコミュニケーションスペース

西面のバッファーエリアに2~7階まで連続した吹き抜けを設け、そこに階段を付帯させたコミュニケーションスペースを計画しました。この空間により、部門の垣根を越えてワーカーががダイナミックに流動するワークプレイスが実現しました。

環境負荷を濾過する

バッファーエリアの内部は縁側状のコミュニケーションスペースとし、その外に「LOW-Eガラスの開口」+「外部バルコニー」+「角度・ピッチの異なる縦型ルーバー」を層状に設け、外乱を濾過(ろか)する機能をもったフィルター状の空間構成としました。更に全閉からフルオープンまでの開閉が可能なサッシと連動させた自然換気システム、そして居住域空調により、機械に頼らない快適性を目指しました。

風の通り道としての廊下

基準階の廊下・エレベーターホールは、重力を利用した事務室の自然換気に利用する風の通り道として計画しています。事務室内のコミュニケーションスペースにある開口部の動きに連動して天井部のパスダクトが開閉し、廊下の木ルーバーの隙間から空気を階段室へと導き、圧力差により上部の屋上換気口へ誘引する重力自然換気システムです。

ブランドイメージの表出

駅前の喧騒(けんそう)から距離を取りながらも、周辺に対して開かれたエントランスホールを目指しました。エントランスから外部に大きく張り出したキャノピーと床で内外を連続させることによって、バッファースペースを構成しながら、外部空間と一体化しています。天井・床パターンは、入居する企業の主力製品であるワイヤーハーネスをモチーフにデザインしています。

グローバルな交流の場

世界31カ国から集まる従業員のための交流の場として、執務エリアのコミュニケーションスペースに加え、食堂をミーティングやパーティーなど幅広い用途に利用できるスペースとして計画しました。

食堂の周囲には、軒の深い庇やパーゴラの付いた木製デッキの半屋外的なテラスを設け、床段差なく室内とつなぎ、フルオープン可能な開口部で内外一体的な利用を可能にしています。鈴鹿山脈の山並みを一望できるテラスカウンターも設えました。