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竹中工務店

東大谷高等学校泉が丘キャンパス

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設計担当者の想い

國本 暁彦竹中工務店 大阪本店 設計部

「命あることへの感謝」という教育理念が体験的に養われる場として、他者や自然、社会とのつながりを育むキャンパスを目指しました。片廊下プランを襞(ひだ)状に雁行させることで、これまでにない多様な居場所のある学校建築が生まれました。

川口 裕人竹中工務店 大阪本店 設計部

私にとって初めての新築プロジェクトであり、非常に濃密な時間の中で思考したことが、完成した建築に建ち現れる経験は興奮と緊張の連続でした。多くの人に支えられながら完成させることができ、感謝の気持ちでいっぱいです。

プロジェクト概要

建築地 大阪府堺市南区三原台2-2-2
建築主 (学)大谷学園
設計施工 竹中工務店
建築面積 5,273㎡
延床面積 14,142㎡
構造/階数 RC,S,SRC/F5,P1
工期 2012.3~2013.3

つながりを育むキャンパス

100有余年の伝統を持つ仏教系女子高校の共学化に伴う、全面移転プロジェクトです。郊外に取得した敷地で新たな歴史を切り拓こうとする建築主とともに、人と人、人と自然、過去と未来をつなぐキャンパスを目指しました。

敷地は古墳時代の土器・須恵器の生産地であり、地場の伝統産業が金属製造であることから、地域性を象徴する焼物や鉄といった素材で、のびやかな水平線を強調する外観の構成としました。メインとなる西側は、日射と通風を制御するレンガの透かし積みとし、渡り廊下から学校生活をそのまま表出させることで、地域とつながる風景を創出しました。

活動を誘発する「天の庭」

教室棟にある3つの中庭は、広さや囲われ方、構成する要素に変化を与えることで、場所に応じた生徒のアクティビティを可能としています。それぞれの特徴から、「天・地・人の庭」と名付けられ、中でも最大の「天の庭」は、運動スペースや野外ステージなどとして、学校生活における最も活発な活動の場として使われています。

生徒が集う「人の庭」

教室棟の中程に位置する「人の庭」は、四方を囲われた落ち着いた雰囲気の中庭です。休憩時間や放課後には、木陰のベンチで生徒が語り合うシーンが繰り広げられます。

ガラス張りのブリッジ越しに見え隠れする隣の公園の緑や空の映り込みにより、外部との連続性や自然とのつながりを感じる空間としています。キャンパス内の中庭や外構の植栽には地域の自生種を植え、周辺緑地とのエコロジカルネットワーク形成を図っています。

高低差を生かした講堂

「天の庭」の下部に位置する講堂は、敷地内にある4mの高低差を利用し、2層分の天井高さとしています。天井は24mスパンのSRC梁をそのまま見せる仕上げとしています。

今回の計画では建物をグラウンドの擁壁と位置付けることで、都市計画法第37条の施工承認を得て、開発・建築工事の同時施工による工期短縮を可能とし、建築主ご要望の開学スケジュールを実現することができました。

学びを促す図書自習室

 静かに自分と向かい合う場とした「地の庭」の下部に設けられた図書・自習室は、トップライトと竹庭からの安定した自然光に満たされた空間です。  教員室とはガラススクリーンを介して隣接しているため、生徒がいつでも先生に相談でき、きめ細やかな指導が可能なコミュニケーションを促進する学習環境としています。放課後、実際に多くの生徒が自習し、先生に質問している光景を目にしました。

教育プログラムとリンクする屋上庭園

西に淡路島や明石海峡大橋、東に金剛山・二上山を臨むことができる屋上には、水田・果樹園・菜園を設置しました。学習の一環として、稲作や四季折々の果実や野菜を育て、食育を実践する環境としています。多感な年頃のメンタルケアとなる菜園療法の場としても機能し、「命あることへの感謝」という学校の教育理念を体現する場となっています。