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竹中工務店

立教女学院総合体育館2014

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設計担当者の想い

加 真一竹中工務店 東京本店 設計部

新緑のケヤキ並木の中、赤い屋根の連続する歴史あるキャンパスを初めて歩いた日から 建築主と一緒につくり込んだ体育館です。連続する庇(ひさし)とテラスで緩やかにつながれた5つのエリアが、生徒の活動を柔軟に包む豊かな生活の場となることを願います。

プロジェクト概要

建築地 東京都杉並区久我山4-29-60
建築主 (学)立教女学院
設計施工 竹中工務店
建築面積 4,244㎡
延床面積 5,404㎡
構造/階数 RC/F2
工期 2012.9~2014.3

ツインアリーナ構成

当プロジェクトは、立教女学院の創立135周年の記念事業で、小・中学校、高等学校、短期大学を擁するキャンパスの体育・文化施設ゾーンの整備計画です。
多様な教育カリキュラムに柔軟に対応できるように、メインとサブ、大小2つのアリーナの中央に、共用サービスゾーンを配したツインアリーナ構成としています。多目的フロア、プールや特別音楽教室を含め各エリアが共用サービスゾーンを介して連携し、幅広い活動に利用することが可能な複合施設です。非常時には地域の防災拠点としても機能します。

軽快な架構の明るい大空間

武蔵野の閑静な住宅エリアに位置する学校として、周辺環境に配慮しボリュームを抑える一方で、中学校・高等学校の体育施設として多種の競技に対応する天井高を確保することが課題でした。
これに対し2つのアリーナには、構造体の成を小さく抑える単層ラチス架構を採用しました。特に今回は、既存校舎との調和を目指し、寄棟形状の直線的な屋根形態に合わせた、コストメリットの高いH型鋼材を使った単層ラチス架構としました。コンクリートの列柱頂部に高窓を挟んで軽快な屋根架構を浮かべることで、自然光を受けた表情豊かな明るい大空間を実現しました。また、地窓と高窓を効果的に配置し、自然通風を促す快適な環境を生み出しています。

テラスへ広がる多目的フロア

複数棟の群構成から形づくられる当施設において、寄棟屋根の2つのアリーナ間に配置した多目的フロアは、「連続する勾配屋根にリズムをつけること」と「内部空間に特長を持たせること」を意識して、切妻の勾配屋根としました。各棟をつなげるコミュニケーションゾーンとしての大きなルーフテラスと一体となるこのフロアは、多様な用途での利用が可能です。

歴史あるキャンパスとの調和

外観は、歴史あるキャンパスの建築群のデザインや素材を参照しながら、キャンパス全体との調和・スケール感を特に意識して、勾配屋根と3mスパンの列柱で構成しました。
素材を限定し、シンプルなディテールで丁寧につくり込むことで、既存建物と調和しながら、未来につながる清新な雰囲気を生み出すことを心掛けました。

柔らかな光に包まれるプール

小・中学校、高等学校が利用する25m×6コースのスイミングプールは、紫外線をカットしながら自然光を透過する軽やかな膜屋根を架けた明るい屋内プールです。膜屋根による屋内化と昇温設備の設置により、通常の屋外プールよりも利用期間を前後約1カ月ずつ延長可能な施設としました。
また、各学年のカリキュラムやクラブ活動に対応するように水深可変床システム(最大水深1.4m)を採用しています。ハイサイド換気パネルと地窓を開け放つことで自然の風が通り抜け、屋根や高窓から射す自然の光、そして緑を取り入れることで、プライバシーを守りながら屋外環境に近いプールを実現しています。

家形が印象的な特別音楽教室

礼拝時のハンドベル演奏の練習教室として設けられた特別音楽教室は、施設の一部として体育ゾーンと連続的につくられています。素材・色調を合わせたデザインで施設全体と調和しながらも、家形に丸窓や照明といったチャペルをモチーフとした構成によって個性的な表情を与え、印象的な施設としました。音楽教室として音響効果や防音に配慮しながら、温かみのある空間として設えました。