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竹中工務店

熊野油脂本社ビル

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設計担当者の想い

小杉 嘉文竹中工務店 名古屋支店 設計部

シンプルな構成にこだわり、力強くありながら、化粧品を扱う会社としての繊細さも持ち合わせる建物を目指しました。憩いやコミュニケーションの仕掛けも多く組み込むことで、建築主の「新しい価値を創造」へ想いが込められた建物になったと思います。

プロジェクト概要

建築地 愛知県瀬戸市熊野町35
建築主 熊野油脂(株)
設計施工 竹中工務店
建築面積 326㎡
延床面積 987㎡
構造/階数 RC/F4
工期 2013.5~2014.3

2つの表情の箱

砂岩張りの3層の箱と、化粧打放しコンクリートによる4層の箱が並立する構成とし、建物全体のボリューム感を抑えています。色調が非常に近い2つの素材を対置させることで、それぞれの素材の肌感を引き立たせています。

砂岩張りの箱の上は食堂のテラスとし、大きな庇(ひさし)を掛けて、陰影のある表情としています。

構造形式を生かす執務空間

内部は、柱・梁・天井を化粧打放しコンクリートとしました。短辺方向は10mの1スパン、長辺方向は3.2mごとに柱を設けることで、長辺方向の梁のサイズを抑えスラブと一体化させています。空調機器を納めた壁面収納と、設備ラインを抱えた吸音性能を有する天井の幅を合わせ、また3.2mピッチの柱・梁間をフルハイトのスリット窓で切り取ることで、開放感とリズム感のある空間をつくりました。

社員間の風通しをより良くする計画

工場内に分散していた諸室を本社ビルに統合し、社員間の風通しをより良くすることが当計画の目的の1つでした。約50人が働く2層に分かれた執務室を、ミニキッチンを設けた吹き抜けでつなぐことで、自然に人が集まり頻繁にコミュニケーションを取ることのできる環境をつくっています。

東西面のスリット窓は、日射量を削減し、空調負荷を低減するために開口面積を抑える一方で、吹き抜けの南面に大きくハイサイドライトを取ることで、執務室全体が明るく気持ちの良い空間となっています。

計画全体へのデザイン展開

内装は、建築主のコーポレートカラーである青を基調にカラースキームを展開しています。家具や備品、アートワーク、コーヒーカップに至るまで、全て本工事の中で計画したことで、計画全体に統一感が生まれています。

くつろぎの環境づくり

4階の食堂とテラスから、瀬戸市の街を西側に一望することができます。ミーティングや業務終了後の憩いの場としても積極的に活用され、居心地の良い職場環境をつくっています。

トイレには、落ち着きのあるカラースキームや自社製品による芳香、ジャズの放送など、視覚・嗅覚・聴覚に対してくつろぎの要素を取り入れることで、化粧品会社らしい特色ある計画としています。

時間と呼応する建物

階段室の開口部には、外壁と同じ砂岩のルーバーを設けました。エントランスは、アルミハニカムパネルの庇で内外に連続した意匠としています。素材そのものを最大限に生かして建物全体を構成することで、時間の移ろいとともにさまざまな表情を見せます。