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竹中工務店

アシックス スポーツ工学研究所東館

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設計担当者の想い

松浦 真樹竹中工務店 大阪本店 設計部

アシックススポーツ工学研究所は、世界的なアスリートも訪れる、人間の体の動きをもとに材料や製品の構造設計などを研究・開発する最前線です。今回完成した新しい増築棟から、世界へ羽ばたく製品が生まれる日が待ち遠しいです。

プロジェクト概要

建築地 神戸市西区高塚台6-2-1
建築主 (株)アシックス
設計施工 竹中工務店
建築面積 1,139㎡
延床面積 3,362㎡
構造/階数 S/F4
工期 2014.1~2014.9

健全な身体と健全な精神

当プロジェクトは、1990年に当社設計施工で竣工した既存研究所の、研究所機能と事務所機能を増強するための増築工事です。

建築主の創業哲学である「健全な身体に健全な精神があれかし」をコンセプトの手掛かりとし、合理的でシンプルな架構とスケルトンデザイン及びワーカーの運動行為を誘発する平断面計画により、チームのイノベーションを喚起し研究者の知的生産性を高める創造型ワークプレイスを目指しました。

ファサード

コンクリート打放しの堅牢な既存棟と対比的に、鉄骨造の特徴を生かした開放的で軽やかな表情としました。

コーポレートカラーから着想を得たガラスフィンには、日本発のグローバル企業ならではのアイデンティティーの表現を込めるとともに、日射と視線の制御にも役立てています。季節や天候、時間によって刻々と表情を変えるファサードは、無機質な工業団地の風景にも彩りを添えています。

中庭を囲む既存棟との連続性

既存棟とは中庭を挟んで2本の渡り廊下で接続し、施設全体の回遊性を高めています。中庭には水景と体験型アートを配し、五感を刺激するリフレッシュスペースとしています。

渡り廊下は、円形ダイアフラムとボルトレスの柱梁継手によるシンプルな鉄骨架構とし、「機能とデザインの融合」を追求するアシックスのプロダクトデザインにも調和する機能美を表現しました。

最先端の研究施設を目指して

増築棟を長手に貫くダイナミックな構成の1階実験走路は、オリンピックをはじめとしたさまざまな大会の仕様を採用し、外周トラック、オムニ・ハード半面ずつの実験テニスコートとともに、世界に類を見ないスポーツ工学の研究施設を目指しました。極力単純化した鉄骨架構とスパンクリートによるスケルトン空間が、実験の緊張感と同調します。

研究活動の見える化

スキップフロア形式のコミュニケーションスペースは、他とは対比的に木の香る温かみのある仕上げとし、居心地の良さを追求しました。中央階段の一部を雛(ひな)壇状にしてプレゼンテーションにも活用できる空間に、また壁面は、日々の研究の成果を所員や来訪者にディスプレイできる設えとしました。

スポーツの力強さと動きを感じさせる外装の傾斜ガラスは、眼下の中庭で行われる実験を真上から観察できる大きな見学窓としての機能を兼ねています。

設・構・備の融合

グループアドレス方式の事務スペースは、チームの一体感を「囲む」というコンセプトで表現し、無垢(むく)板を用いた大型机がスケルトンのシンプルな空間に温かみを与えています。

染み出しアンダーフロア空調とタスクアンビエント照明を採用した設備計画により、天井面の要素を絞り、跳ね出しスラブ部分にラックなどを集約して、構造計画と統合させたシンプルな空間としました。