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現代日本の南極学術探検を最初に提唱したのは、矢田喜美雄氏(故人、朝日新聞社記者)でした。矢田氏をプロモーターとして朝日新聞社は、自社の寄付金・南極国民基金の創設、財界・産業界への全国的な資金募集を行い南極学術探検北海道訓練計画(略して北海道トライアル)の実現を通じて政府・学会に働きかけたのです。日本の南極学術観測は、たった1人の新聞記者の発案から国家事業として実現したといっても過言ではありません。この北海道トライアルは南極観測実現のための重要なステップであり、そこでの貴重な経験は、実地観測活動に多くの教材を提供しました。当社は朝日新聞社の動きに呼応し「竹中工務店南極室」を設置。トライアルの設営企画・設計・建物製作へと、本格的な南極観測協力をスタートさせました。

「今冬の北海道観測は極地同様の酷寒、強風、または氷の状態を求めることは出来ないとしても、それに少しでも近い条件で設営や観測のテスト、基地建設の訓練などを豊富に体験し、その結果を将来に生かそうと言うのが目的である」(朝日新聞南極事務局の発表文より)

訓練用建物に対する朝日南極設営委員会からの要望
実際使用した訓練用建物(当社設計・施工)
かくして、北海道トライアルは実施されました。コーキング材が寒さのため使用困難であったり、意外と素人による建設がスムーズにいったこと、断熱材の効果、色彩比較調節など、実際試行してはじめて判明した事実が数々ありました。当社は北海道トライアルで手に入れたこれらの貴重なデータを頼りに改良を重ね、ようやく本番用南極基地建物の開発にこぎつけたわけです。





