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外装タイルの剥離防止性能を飛躍的に高めた「トータルフレックス工法」開発

~各種試験により50年相当の耐久性を確認~

リリース

2012年9月18日
株式会社竹中工務店

㈱竹中工務店(社長:竹中統一)は、モルタルを使って外装タイルを張り付けた場合(以下モルタル工法)に比べて、タイルの剥離防止性能が高い「トータルフレックス工法」を開発しました。
通常のモルタル工法では、下地調整用のモルタルを用いて下地の凹凸を平坦にし、その上にタイルを接着させるためのモルタルを塗ります。今回、モルタルよりも伸縮性の高い下地調整材(弾性下地調整材「ボンド レベルワン」)をコニシ㈱(社長:大丸智夫)と共同開発しました。この「ボンド レベルワン」にモルタルより伸縮性の高い接着剤を組み合わせることにより、剥離防止性能の高い工法を実現しました。

「ボンド」はコニシ㈱の登録商標です。

モルタル工法

「トータルフレックス工法」

モルタル工法と「トータルフレックス工法」の比較図

【本工法のメリット】

1. 耐久性と耐震安全性に優れます
モルタル工法では、外壁を構成するタイル、モルタル、コンクリート躯体が外部から温湿度変化を受けると、それぞれ、異なった割合で伸びたり縮んだりします。これをディファレンシャルムーブメント(相対ひずみ)と呼び、経年でそれぞれの接着部分に繰り返しひずみが発生することで、タイル、モルタルが剥離する原因になります。
本工法で使用している、下地調整材「ボンドレベルワン」とタイル張り用接着剤は、伸縮性の高い材料です。そのため、ディファレンシャルムーブメントによる剥離が生じにくく、耐久性に優れます。また、地震時の構造体の動きに対しても、モルタル工法に比べて、タイルのひび割れや剥離が生じにくく、耐震安全性も優れています。
本工法の伸縮性能を評価した試験では、モルタル工法の約3倍の性能を有することが確認されており、タイルの剥離防止に大きな効果があると考えられます。
2. 経年での美観を維持します
伸縮性の高い材料とすることで、モルタル工法に比べ、経年でのタイルのひび割れが発生しにくくなります。また、モルタルを使用しないため、セメントに起因する白い汚れ(エフロレッセンス)が発生することも少なく、経年での美観も良好です。
3. 安定した施工品質を確保します
モルタル工法では、現場でセメントと水を練り混ぜる作業が必要で、作業員の施工技量や作業環境の影響を受けやすいのに対して、本工法では、フィルムパックに入った材料を取り出してそのまま使用するため、現場での練り混ぜ作業が不要となり、安定した施工品質を確保できます。
4. 工期の短縮を可能にします
モルタル工法では、剥離防止のためにコンクリート下地の表面を超高圧水洗浄などにより表面を目荒ししてモルタルをしっかりと定着させる必要がありましたが、本工法では目荒しの必要がありません。また、モルタル工法と比べて、コンクリート面の下地調整にかかる期間も短縮できるため、外装仕上げ工事の工期を2週間~1カ月程度短縮することが可能です。

当社は本工法を既に6件のプロジェクトに適用しており、今後は当社施工の建物に順次展開していきます。

【「トータルフレックス工法」工程】

1. コンクリート壁面の水洗い清掃を行います。
2. 新開発した弾性下地調整材「ボンド レベルワン」を塗り付けて、壁面の凹凸を平坦に均します。
3. 「ボンド レベルワン」の上にタイル張り用弾性接着剤を塗り付けた後、タイルを張り付けます。
4. 最後に目地詰めを行います。

1.「ボンド レベルワン」塗付け

2.タイル張り用弾性接着剤塗付け

3.タイル張付け

「トータルフレックス工法」の工程

【耐久性試験結果】

当社では、技術研究所において「トータルフレックス工法」に関する各種試験を実施し、外壁としての耐久性を確認しています。弾性下地調整材「ボンド レベルワン」は、80℃の熱を加え続けた試験を行った結果、50年経っても十分な強度と伸縮性能を保っていることを確認しています。

80℃熱劣化試験による「ボンド レベルワン」の強度と伸縮性能

【開発背景】

有機系接着剤によるタイル張り工法は、1950年代から内壁に使用されてきました。剥離やひび割れの不具合が少ないことから、1990年代からビルの外壁への採用が始まり、その後、普及が進んだこともあって、2006年にJIS A 5557(外装タイル張り用有機系接着剤)として接着剤が標準化され、本年7月には日本建築学会標準仕様書JASS19(陶磁器質タイル張り工事)に追加されました。有機系接着剤によるタイル張りは剥離防止性能の高い工法として、今後さらなる普及が見込まれます。
一方、有機系接着剤でタイル張りを行う場合でも、コンクリート下地の凹凸に対しては、伸縮性に乏しいモルタルで平坦に均すのが一般的でした。そのため、伸縮性の高い接着剤でタイル張りを行っても、接着剤張りの剥離防止性能を最大限に発揮できない懸念がありました。