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世界初!精密機器生産工場向けの除振システムを開発

~高度な除振性能と耐衝撃性能を両立~

リリース

2012年12月12日
株式会社竹中工務店

竹中工務店(社長:竹中統一)は、半導体やディスプレイなどの精密機器生産工場で使用される露光装置や検査装置の大型化・歩留り向上・高スルーブット※1化に対応した「剛性可変型除振システム」を開発しました。

※1 スルーブット:単位時間あたりの処理量

■「剛性可変型除振システム」の概要

精密機器生産工場で使用される露光装置等は、ミクロン(μm)の単位で振動を制御することを求められる生産装置です。そのため、設置床の振動対策として、空調機・歩行等による装置の周辺環境が引き起こす外部振動の除振性能(柔らかさ:柔軟性)と、露光装置内部のステージ等が稼働する際の衝撃力に耐えることができる耐衝撃性能(硬さ:高剛性)という相反する2つの性能が必要となります。当社では、外部振動を除振するシステムとして、TACMI®という当社独自開発のアクティブ除振床技術を活用してきました。今回、TACMIの高度な除振性能に、耐衝撃性能を追加することにより、除振(柔らかさ)と高剛性(硬さ)という相反する2つの性能を両立させた世界初の除振システムを実現しました。


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精密機器生産工場内部イメージ

露光装置設置床の補強イメージ

■「剛性可変型除振システム」採用のメリット

近年、露光装置等が大型化かつ高速化し、装置自体が発生させる衝撃力が増大しています。この除振システムにより、コストパフォーマンスの高い対応が可能です。
従来、露光装置等への振動対策を行う場合、外部振動の除振対策に加えて、装置を設置する床トラスの斜材や柱の数を増加させて床剛性を高くする構造補強を採用してきました。開発した「剛性可変型除振システム」を露光装置と床の間に設置することにより、大規模な構造補強が不要になります。

  • 生産装置をフレキシブルにレイアウトすることが可能。
  • 設置床部分の躯体構造の建築費を約3割削減。
  • 生産ラインの変更が従来より容易。

■「剛性可変型除振システム」の原理

MFC(Macro-Fiber Composite)※2

※2 MFCはスマートマテリアル社の製品です

左上図は露光装置を模擬した可動ステージ部分の下に「剛性可変型除振システム」を据付けた実大装置です。高度な除振性能を実現する既開発システムTACMIに、「剛性可変機構」を追加しています。
「剛性可変機構」にはアダプトロニクスという新機能が備わっており、高い耐衝撃性能を発揮します。アダプトロニクスとは、環境や状況の変化に自ら“適応”して、形状や剛性などの物理的性質が自動的に変化する機能のことです。また、このアダプトロニクス機能は、人や動物の筋肉のように伸び縮みするMFC(Micro-Fiber Composite)※2という新材料により、実現しました。この素材の機能によって、露光装置内部の可動ステージ(ウェハテーブル等)が稼働する場合は瞬時に硬くなり、衝撃力に耐えられるようになります。また、可動ステージが動かず、常時の精密加工を行う露光時には軟らかいままとなり、高い除振性能を保つことができます。除振台の硬さは瞬間的に50倍程度変動させることができ、衝撃力が作用した後の位置静定性能が、既開発システムの1/100以下となります。

今後は、次世代の露光装置の導入、既存施設の改修等、装置自体が大きな衝撃力を発生し、かつ繊細で製品のズレが許されない精密機器生産工場などに本システムを積極的に展開していきます。
なお、本開発にあたっては独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のイノベーション推進事業を活用しました。



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