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ZEB化普及に向けた「高効率な調湿外気処理ユニット」を開発

~厚さ450mmの小型化を実現しオフィスビル天井内に設置可能に~

リリース

2015年11月13日
株式会社竹中工務店

竹中工務店(社長:宮下正裕)は㈱クボタ(社長:木股昌俊)と共同で、一般のオフィスビルでのZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の普及に向けた、小型で「高効率な調湿外気処理ユニット」(特許出願済)を2016年2月末を目途に開発中です。本システムは、すでに実証実験により実用化の目処がつき、当社東関東支店のZEB化を目指した改修工事で採用します。

2014年に閣議決定された「エネルギー基本計画」では「2020年までに新築公共建築物で、2030年までに新築建物の平均でZEBの実現を目指す」政策を掲げており、建物のZEB化に向けた要素技術の開発が期待されています。

現在オフィスビルで使用されている空調システムは、空気を冷却することで結露させて水分を取り除く方法で除湿するため、除湿により室内の温度をさげてしまいます。そのため、室内の温度が下がりすぎないよう、再び空気を加熱することが必要になります。快適な温熱環境を形成しようとすると、過剰に冷却したり、再熱するためのエネルギー消費量が多くなり、更なる空調の省エネや快適なZEBの実現に向けて外気の高効率な処理が必要でした。

そこで当社では、温度と湿度を別々に制御することで除湿のために過剰に温度を下げずに、高めの温度設定でも湿度が低く快適に過ごすことができる「デシカント空調機」を開発し、超省エネビルで採用してきました。しかし、当技術は除湿を行うための巨大なデシカントロータを回転させ吸湿と再生を繰り返すために空調機本体が大きくなり、専用の機械室に設置する必要がありました。コストの観点からも空調機の省エネ性能の向上と設備の省スペース化の両立が求められていました。

このたび開発した「高効率な調湿外気処理ユニット」は、吸放湿モジュールを流路の切替えによる簡素な機構で吸湿と再生を繰り返すことで機器の高さを450mmに抑え、天井内に設置可能な大きさを実現しました。従来の空調機を納める機械室が不要なだけでなく、小型化により既存建物のリニューアル工事にも容易に対応することができます。また吸放湿モジュールの冷却、再生に地中熱や太陽熱など自然エネルギーを利用することで、従来の空調に比べて外気処理のエネルギー効率が30%向上します。当社では今後、一般オフィスビルのZEB化ニーズへの対応と普及促進を目的に広く展開していく予定です。


調湿外気処理ユニットの構成

調湿外気処理ユニットの構成

調湿外気処理ユニットの概要

  • 全熱交換モジュールで室内排気の熱を回収し、取入れ外気の負荷を削減します。
  • 吸放湿モジュールで取入れ外気の水分を吸湿し、効率よく再生しながら調湿します。
  • 冬季は室内の水分を吸湿し、効率よく室内に放湿することで調湿します。
調湿外気処理ユニット内の空気の流れ

調湿外気処理ユニット内の空気の流れ(夏の場合)

調湿外気処理ユニットのメリット

  • 温度と湿度を別々に制御することで省エネと環境を両立する外気処理システムです。
  • 機器の高さを450mmに抑えて小型化することで天井内に設置が可能です。
  • 自然エネルギーの利用で従来と比較して外気処理の効率が30%向上します。

開発の背景

ZEBを実現するためには、高効率な照明・OA機器の導入と運用による室内負荷の削減、侵入する日射など外皮負荷の削減、さらには室内の空気質を維持するために必要な換気に伴う外気処理を高効率化することが重要です。このような大幅に省エネルギーを実現した上で、太陽光発電などの再生可能エネルギーを導入することで年間エネルギー消費量の収支を正味ゼロにします。
当社では「高効率な調湿外気処理ユニット」をはじめ、建物の省エネルギー化に資する要素技術を組み合わせていくことで、ZEBと快適性を両立する『ウェルネスオフィス』、BCPの強化、それらを統合するデザインを目指します。

本システムの開発は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の平成26年「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」の助成を受けて行いました。