2001年7月12日

地震リスク評価システム「TRAIN」を開発

〜既存建物の地震リスク、耐震改修コスト比較、新築建物グレード設定が即座にできる〜

株式会社 竹中工務店

竹中工務店(本社:大阪市、社長:竹中統一)では、阪神大震災におけるデータに基き、耐震改修投資及び耐震グレード設定について定量的に算出できる地震リスク評価システム「TRAIN(Takenaka Risk Analysis tool for Investment)」を開発しました。デューデリジェンス(建物適正評価)に利用されるPML(*)(予想最大損失率)を用いて地震リスクや改修投資効果を金額換算し、地震危険度を踏まえた耐震グレード表示や改修優先度の意思決定等、顧客のニーズに合った最適な耐震性能を提案するツールとして耐震グレード設定、耐震診断・改修活動を促進します。


(*)PML:
予想最大損失率(Probable Maximum Loss)のこと。%で表され数値が大きいほど被害額が大きくなることを示す。建物が50年間に10%の確率で発生する大地震によっ て受ける被害の最大想定額。総建て替え工事費に対する比率として算定される。建物証券化において、PMLが20%以上を超えると、建物証券化における格付け低下に 繋がる。
例:
不動産価格200億円の建物のPMLが20%と算定された場合
=50年間に10%の確率で発生する大地震で受ける被害額は40億円と予想

ここ数年急増するデューデリジェンス(建物適性評価)の中で、耐震性能評価にPML(予想最大損失率)の概念が利用されてきましたが、この概念は建物証券化に限らず新築建物のグレード設定や耐震性の向上などを考えているオーナーにとっても、リニューアルや改築やその優先順位を決定する判断材料として大きな関心事になっています。
今回開発したシステムは、オーナーサイドと短時間の対話の中で、抽象的な地震 リスクがPMLにより金額的に表示され、リスクを軽減させる(PMLを低下させる)耐震グレード向上や耐震改修コストとの対比によりリスク軽減判断が出来る、建設・改修投資の判断支援システムです。





■ 地震リスク評価システム「TRAIN」の概要


「TRAIN」は、オーナーと15分程度の対話で必要情報を提示することができます。またPMLという定量化指標を用い専門用語の解説を加えたことなどから、設計者だけでなく営業担当も含め幅広い活用が図れるシステムで、建物に関するデータをパソコンにインプットすると、ソフトが地震リスクを自動的に算出します。
基本的には建物が保有している性能が必要ですが、建物性能が不明な場合でも建物の構造、建築年、階高、用途、壁の量、壁の配置、ピロティの有無、立地、地盤条件など、オーナーとの簡単な対話により建物性能を概略推測する機能を有しています。それらの情報により自動的にPML、小破確率、中破確率、大破確率、被害額などが計算されアウトプットされます。PMLを現状値より下げるための耐震・免震改修費用なども、目標値ごとに概算することが可能であり、新築建物の場合には耐震グレードをPMLとしての要求性能に関連づけて設定し、設計上の目標性能にすることも可能です。また地点ごとに、過去影響の大きかったと推定される大地震データ上位10例が表示可能であり、関東であれば1923年の関東大地震を想定した被害予想なども瞬時に提示できます。

 

当社は、この地震リスク評価システム「TRAIN」を、

  1. グレードを考慮して新築建物を計画したい
  2. 建物の証券化を考えている
  3. 大地震時の建物被害額を知りたい
  4. 複数建物の耐震及び免震改修の優先度を考えたい
  5. 地域ブロックごとの資産リスクを把握したい

など保有不動産の資産価値向上や企業戦略の策定を図るオーナーに向けて活用していきます。
特に、各所で地震エネルギーが蓄積しているためビルオーナーの不安や診断ニーズが高まっていることから、当社は地震情報と合せ当システムを積極的に活用して診断業務の展開を図ります。

 


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