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2002年4月25日

本社ビル(御堂ビル)の屋上緑化「スカイオアシス」が完成
3種類のガーデンで効果を検証


株式会社 竹中工務店

(株)竹中工務店(本社:大阪市、社長:竹中統一、資本金:500億円)では、このほど本社ビル(御堂ビル)の屋上緑化が完成し、「スカイオアシス(Sky Oasis)」として4月26日から一般公開します。
同ビルは1965年に完成したビルで、屋上面積1,600m2の約20%に当たる320m2(芝生とウッドデッキ部分130m2を含む)を緑化したもので、オリーブやシラカシの樹木や草花、120種 約3,000本が植えられています。
最近、大都市におけるヒートアイランド現象の緩和など、環境の改善に効果が期待される方策のひとつとして、屋上緑化が注目を集めています。関係官庁では緑化の義務化や税制優遇措置及び助成制度や低利融資、容積率の緩和などの支援策を設けるケースが増えており、今後の普及が期待されています。
このたび当社では、既存ビルの屋上緑化のモデルプロジェクトとして取り組んだもので、緑化による効果を検証すると共に、今後ともシステム開発や技術開発を積極的に進めていきたいと考えています。


■ 緑化構成の特徴

具体的な緑化にあたっては、1.人にやさしい、2.環境にやさしい、3.ビル管理にやさしい、という"やさしさ"の3つの視点から、3タイプのガーデンで構成しました。

1. 人にやさしい「フレグランスガーデン」(面積約53m2
 

人の心のやすらぎや、癒しが可能な生理的・心理的効果のあるガーデン。
ボリューム感のある低中高木のコニファー(針葉樹)ガーデンと、ラベンダー、ゼラニウムなどの芳香性のある植物を植えたハーブガーデンになっています。

2. 環境にやさしい「ナチュラルガーデン」(面積約80m2
 

身近な自然「里山」から学んだガーデン。
雨水一次貯留や建設廃棄物からの再生品の採用などにより循環型社会に貢献し、景観形成、都市アメニティ創出、生態系ネットワークづくりなどを目指しています。ススキや牧草、コナラなど、里山など身近にある植物を植栽し、小さな池とせせらぎを設けて、野生生物が生息できるビオトープガーデンとしています。

3. ビル管理にやさしい「ドライガーデン」(面積約57m2
 

メンテナンスに人手などをかける必要のないガーデン。
過酷な環境でも生育可能なセダム類(メキシコマンネングサなど)を用いた省管理型の薄層屋上緑化システム(セダムカーペット)を採用しています。
このシステムは、当社が昨年開発した緑化システムで、特長として、

 
(1)
荷重40kg/m2と軽く、屋上積載荷重の制約を受けない
  (2) 潅水、施肥が不要で、メンテナンスコストを大幅に削減
  (3) 植栽マットは着脱容易なファスニング機構で固定されているため簡単にめくれ、点検が容易
  (4) 日本の気候を考慮し、適度な乾燥状態と貧栄養条件を維持しやすい土壌の選択と断面構成により、雑草の侵入を抑制しつつ、セダムの成育環境を最適化する
  (5) あらかじめ養生された植生マットを敷くだけで完成
  などがあります。

■ 施工上の特徴

既存ビルの屋上緑化の施工に当たっては、荷重の軽減化、風対策、防水対策、施工性が主な課題になります。   

1. 荷重の軽減化

既存ビルの場合は、ビルによって許容積載荷重は違いますが、軽減化の工夫が必要です。セダム類を採用するといった植物そのものの対応と共に、人工土壌やプランターの工夫によって軽減化を図りました。土壌はパーライト(真珠岩粒を熱で発泡させたもの)をベ-スに、複数の土壌改良材を当社が独自にブレンドしたもので、通常の土と比べて約1/3の重さです。
プランターは、網目状のメタル製プランターボックスに、通気性、透水性も考慮して不織布張りとしています。

2. 風対策

建築基準法の数値で基準風速34m(瞬間最大風速70m相当)まで耐えられるようにしています。タイム、セダムなど地被植物を使って飛散を抑え、樹木はプランターボックスに緊結、緑化部分の周囲のフェンスに風よけのネットを設置し、薄層緑化システムは植生マットと防水・防根シートとをボルトで固定する等の対策をしています。

3. 防水対策

屋上に直接植栽すると防水層が損なわれる恐れがあるため、簡易に敷き並べて設置できる、塩ビ製で厚さ2mmの防水・防根シートを採用しています。320m2の緑化面積に対する防水面積は約400m2です。

4.
施工性

緑化工事に必要な部材はエレベータによる搬入が可能なものにする必要があり、コンパクトで軽量化を図らなければなりません。部材はすべて工場加工し、ユニットで搬入、現地作業は組み立て式で廃棄物もほとんど発生せず、施工効率の向上が図れました。

    

■ メンテナンスの特徴

1. 水遣りの対応

薄層緑化システム採用ガーデンは無潅水ですが、潅水が必要なガーデンは2種類の給水方法を採用しています。1つは土壌の上部に点滴ホースを巡らし、自動給水します。タイマーにより給水量を制御しますが、雨天時は雨量計によりセンサーが働き給水を中止します。もう1つは、根に効率良く水を供給するものとして、樹木の底面に給水槽を敷設しています。月に1回程度、水の補給をします。

2. 風力発電と太陽電池で池の水質浄化

環境にやさしいナチュラルガーデンには小さな池があり、その池の水質浄化を図るため、風力発電と太陽電池による電力で循環ろ過装置を動かします。風力発電機は定格出力400Wのもの1基で、御堂ビルでの年間平均風速は2mと予測され、得られる電力は年間66kWhと試算しています。太陽電池は94cm×107cmのソーラーパネルで、最大出力は128W、年間147kWhの電力を得られます。合計電力は、年間213kWhとなります。

3. 熱環境効果測定

緑化による効果測定のため、緑化していない場所、層緑化システム(セダムカーペット)の下、栽プランターの下、芝生の下、の4か所に温度センサーを設置し、パソコンでリアルタイムに温度の推移が測定・分析できるようにしています。

 

なお、当ビルの屋上緑化計画は、大阪府の助成措置を受けており、4月26日から一般公開されます。

公開の要領は次の通りです。
 
公開日
毎週 金曜日
        (祝祭日、12/29~1/3の年末年始休暇・8/15を挟む夏期休暇期間中は除く)
 
時 間
午後0時~1時(雨天公開、強風時中止)
 
場 所
大阪市中央区本町4-1-13 (御堂筋と本町通交差点 北西角)
(地下鉄 御堂筋線「本町駅」下車 C階段 5番出口)


■「御堂ビル」の概要

所 在 地
大阪市中央区本町4-1-13
設計施工
(株)竹中工務店
完成年月
1965(昭和40)年3月
建築面積
3,705.7m2
延 面 積
44,592.6m2
構  造
SRC(鉄骨鉄筋コンクリート造)
階  数
地下4階、地上9階、塔屋4階


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