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2002年10月24日

世界初の本格的な低酸素走路「ハイポキマイン・走路・やなはら」が竣工

~坑道がトレーニング施設に!産業遺産を有効活用するユニークな着眼~

株式会社 竹中工務店

岡山県柵原町に、世界初の本格的な低酸素トレーニング走路「ハイポキマイン(*)・走路・やなはら」が完成しました。「ハイポキマイン・走路・やなはら」は、“気密性が高く、温度と湿度が年間を通じてほぼ一定に保たれている”という坑道としての特長に着目し、産業遺産である鉱山跡地の坑道を有効に活用したユニークなトレーニング施設です。
株式会社竹中工務店(本社:大阪市、社長:竹中統一)は、これまでの低酸素トレーニング施設の実績で得たノウハウを活かして、柵原町高所環境トレーニング施設研究会(会長:平田敏彦)に協力してきました。2001年に完成した全長3mの実験施設「ハイポキ・マイン・やなはら」に続き、このほど本施設を施工したものです。



「ハイポキマイン・走路・やなはら」は、幅3.5m、高さ2.5m、全長42.195m(マラソンコースの1/1000)の低酸素トレーニング走路で、“高分子膜酸素分離方式”により、標高1,000mから3,500mの高地の低酸素環境を再現することができます。
“高分子膜酸素分離方式”は、コンプレッサーにより加圧して空気を圧縮し高分子膜材で低酸素空気と高酸素空気に分離ろ過し、窒素濃度の高い低酸素の空気を走路室内に送風して低酸素環境を作り出す方式です。これにより、走路内を高地と同じ酸素の少ない環境にし、貫流ファンにより室内環境は常に一定に保たれています。酸素濃度が一定レベル以下にならないよう、フェールセーフ機能を持たせるとともに、室内に設置した各種センサーで常に酸素濃度や炭酸ガス濃度を計測、表示し、さらに警報装置を設けて安全性を確保しています。



(*)
ハイポキマイン:
「低酸素の」を表す“hypoxic(ハイポキシック)”と「鉱山、坑道」を表す“mine(マイン)”から命名。


「ハイポキマイン・走路・やなはら」は、岡山県柵原町の「やなはら・ウェルネス・アスリートビレッジ構想」の中核をなす施設です。当面は、2005年に開催される岡山国体に向け、地元アスリートのトレーニングに活用するほか、基礎データの収集、有効なトレーニング方法の解明などを目的としたトレーニング施設として利用する予定です。


■ 高所トレーニング施設の有効性と当社の実績

高所トレーニングは、低酸素の高地で行うトレーニングを意味します。標高が高くなると気圧の関係で空気が薄くなり、1回の呼吸で体内に取り込める酸素の量が減ることになります。このような場所でトレーニングすると、血液中のヘモグロビン量が増加して酸素を効率よく取り込むことができるため、運動能力が高まります。高所トレーニングの有効性は、トップアスリート、特にマラソンなどの長距離走者や水泳選手により立証されてきており、近年は短距離走など多くのスポーツ種目で認められてきています。
現在、国内における低酸素トレーニング施設は、実験的なものも含めて20件ほどあります。当社は、5年ほど前から研究開発に積極的に取り組んできており、代表的な実績として、東京大学の低酸素環境走路“アルティチューブ”(1998年完成)、筑波大学体力トレーニング研究室(高松研究室)の“低酸素室”(2000年完成)などがあります。これらの施設で得た実験データや、各種スポーツ施設に携わった実績をもとに、さらなる技術開発に努めています。



■「ハイポキマイン・走路・やなはら」概要

走路概要
幅3,5m、高さ2,5m、全長42.195m
走行方法 中央のセンターラインを挟んで周回
酸素濃度制御範囲
18.6%~13.6%(標高1,000m~3,500mの酸素濃度に相当)
酸素濃度制御幅
±0.3%
炭酸ガス許容濃度
3,000ppm以下
トレーニング人数
最大5名
走路内気圧
常圧
走路内温度
18℃前後
低酸素発生方式
高分子膜酸素分離方法
工期
2002年7月25日~2002年10月21日
設計・監理
柵原町高所環境トレーニング施設研究会
施工
(株)竹中工務店、(低酸素機械:エスペック(株))


関連リンク
http://www.takenaka.co.jp/highplace/05/05.html


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