2003年12月18日
ローコスト、工期短縮、環境負荷低減と3拍子揃った
大荷重を支持する「多段拡径杭工法」を開発・実用化
(株)竹中工務店(本社:大阪市、社長:竹中統一)は、超高層建築物など大重量の構造物を支えるための場所打ちコンクリート杭工法(*1)「多段拡径杭工法」を開発し、近く実プロジェクトに適用する予定です。従来、超高層建築物を杭で支持する場合に広く用いられてきた連続地下壁杭工法(*2)に比べ、基礎工事にかかる工事費、工期、建設副産物の排出量を大幅に削減、短縮できます。
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(*1)
: 場所打ちコンクリート杭工法
杭の種類は大別して場所打ち杭と既製杭に分けられます。場所打ち杭は、大きな支持力、耐力が必要とされる高層の大きな建物に採用されることが多く、杭を設ける場所の土を掘削した後に鉄筋かごを建込み、コンクリートを打設して施工します。工場などで製造するコンクリート既製杭は、建物が小規模、低層で比較的鉛直荷重の小さい場合に採用されているもので、釘を打つように地中に既製杭を打込んだり、削孔後に埋込んだりします。
(*2)
: 連続地下壁杭工法
超高層建築物のような大きな重量の構造物を杭基礎で支持する場合、通常の既製杭や場所打ち杭では支持することができません。杭径を大きくするなどの方法も考えられるが非常に大きな直径が必要となり、新たな掘削機の開発などコストその他の面で実用的でありません。そのため、従来では壁状の「連続地下壁杭」を構築して構造物を支える工法が採用されています。
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■ 「多段拡径杭工法」について
「多段拡径杭工法」は、円筒状の杭の軸部に拡径部と呼ぶ円錐状の節を複数設けることによって、通常の場所打ちコンクリート拡底杭に比べて約1.3倍以上の荷重(長期荷重で4,000トン/柱以上)を支持できるようにしています。原理は、ちょうど凸部のある釘を打ち込むには大きな力を必要とするように、杭の拡径部直下の地盤が大きな抵抗力を発揮して大重量を支えることができます。拡径部を増やすことによって、さらに大きな支持力を確保できます。
超高層建物の基礎工法は、建物の形状・高さ・重量、地盤条件、周辺環境、施工条件、コストなどを勘案して総合的に決定されますが、この杭工法は、単独で用いることも、通常の場所打ち杭や連続地下壁杭と併用することも可能です。また、超高層建築物のような大きな重量の構造物では、常時大きな建物荷重が建物の基礎に作用し、地震時にはその建物荷重に加えて、地震力に伴う押込み荷重・引抜き荷重が加わりますが、多段拡径杭工法は、押込み荷重・引抜き荷重に対して高支持性能を発揮するため最適な基礎工法といえます。
■ 「多段拡径杭工法」のメリット
- 基礎工事費のコスト削減
掘削容積の削減とそれに伴う建設副産物排出量の削減、コンクリート量・鉄筋量の削減、浮上り対策の地盤アンカーの削減などから、連続地下壁杭工法と比べ基礎工事費のコストを削減できます。
- 基礎工事期間の工期短縮
掘削容積が少なくなること、コンクリート打設工事や鉄筋建込工事の削減などから、連続地下壁杭工法と比べ大幅な工期短縮となります。
- 建設副産物の排出量を削減
連続地下壁杭工法と比べ、掘削容積が削減されるため、掘削汚泥、孔壁崩壊防止用の安定液などの建設副産物の排出量を削減できます。
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<多段拡径杭工法のメリット試算例>
既存の超高層集合住宅を例に連続地下壁杭工法と多段拡径杭工法を比較したところ、建築副産物排出量で約30%削減、基礎工事期間で約30%の工期短縮、基礎工事費で約20%のコスト削減の試算結果となりました。なお、建物や地盤の条件により、これらの数字は変動します。
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- SRC化による効果的な浮上り対策が可能
超高層建物では、地震時の引抜き力により建物が浮上る危険性があります。このような場合は、通常RC構造の多段拡径杭を鉄骨で補強してSRC構造とすることにより、杭と建物の接合部の高耐力化が図れ、杭体も強化できるため、地震時の引抜き力に対して、さらに大きな抵抗力を発揮させることができます。そのため、地盤アンカーの打設や建物下部のスラブを厚くするなどの建物の浮上り防止対策が不要となります。
当社では、お客様のニーズに最大限応えるため、ローコスト、工期短縮、環境負荷低減の3拍子が揃った本杭工法の採用を積極的に提案していきます。
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