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安全で環境にやさしい「竹中グリップダウン工法」で158mの大阪タワー解体に着手

2009年9月7日
株式会社竹中工務店

イメージ:外観写真竹中工務店(社長:竹中統一)では、朝日放送旧社屋(2009年6月30日解体完了)に隣接し電波塔として利用されていた「大阪タワー」の解体工事に際して、安全と環境に配慮し、塔の足元部分において、外周柱脚部の切断とジャッキダウンを繰り返し解体していく「竹中グリップダウン工法」を開発・採用しました。
「大阪タワー」は、朝日放送の電波塔を兼ねた高さ158mの展望台付きタワーとして1966年に建設されましたが、朝日放送の新築移転に伴い、2008年6月にその役目を終えました。
今般、世界的にもまだ事例の少ない、都心部に位置する高層タワーの解体にあたり、現在当タワーの所有者である竹中工務店では、社内で超高層建物解体工法についてのアイディアコンペを実施するなど、その解体工法について活発な論議を交わし検討を重ねてきました。
従来の建物解体方法としては、重機を屋上に載せたり、ロングアームの解体重機を使用する在来工法がありますが、これらには高さに制限があります。また、大型タワークレーンによるブロック解体には、クレーン設置スペースの確保や高所作業の危険度が高いなどの問題点があります。
こうした経緯から、解体工事におけるリスク・危険度を低減するため、高所作業を激減させるとともに、解体材溶断時の火気飛散防止や解体騒音を低減させ、周辺への影響を低減させることを目的として、新しい工法の開発に取り組みました。そして日本初の試みとなる「竹中グリップダウン工法」を開発しました。合わせて2件の特許申請をしております。

イメージ:解体工事全体ステップ
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「竹中グリップダウン工法」は、タワーの建屋屋上(地上20mレベル)を作業足場とし、その下部躯体に、既存躯体と同等以上の強度を持つガイドフレームを設置し、これによりジャッキダウンするタワーの鉄骨脚部を安全に支持し、ジャッキダウンと部材解体を繰り返しながらタワーを下部から解体する工法です。建屋屋上で解体した柱、梁等の部材は仮設開口より下ろして地上で重機により小分解し搬出します。ジャッキダウンは、タワーの既存鉄骨の水平材部分を支持するため、その間隔の5mピッチに合わせて、9~11月にかけて全14回実施します。

イメージ:グリップダウン手順
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施工手順は、ガイドフレーム内でタワー外周の4本の柱に柱脚ピースを取り付け、その下部の柱を切断・撤去した後、それぞれの柱に対応する200tジャッキ2基、合計8基のジャッキを集中制御しながら約3時間かけて5mジャッキダウンします。柱定着後に次のジャッキダウンに対応するため、柱脚ピースをジャッキで所定の位置まで引き上げて再びセットします。最終的にタワー先端のアンテナ塔部分53mは、地上から大型クレーンを使って吊り降ろし、地上で寝かせて安全に解体します。

当工法の採用により、
①高所作業を激減できる
②解体材の落下・飛散の危険度を低減できる
③騒音を低減できる
④仮設材を低減できる

といったメリットがあり、安全面・環境面で従来工法の問題点を大きく改善できることになります。
超高層建物の建設が始まった1960年代後半から約40年を経て、これらの高層・超高層建物の解体ラッシュが迫りくる中、その解体方法は建設業にとって重要な課題となっています。今回はタワー解体という特殊なケースですが、当社では今後も様々な建物・条件における安全で環境にやさしい解体工法の検討・開発で、そのニーズに応えていきたいと考えています。