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1998年3月26日


―― 国内初、高さ45mが可能な「高度防災型立体自動倉庫」を開発 ――
高層化で保管効率大幅アップ、制振機構で荷崩れ抑止、防火性能も向上


(株)竹中工務店

このたび当社は、制振機構と高い防火性能をあわせ持ち、国内で最も高い“高さ45m級”を実現可能な「高度防災型立体自動倉庫」を開発しました。 同倉庫は、最上部の鉄骨梁の継手部分に極軟鋼を使った新開発の制振ダンパーを設け、中地震(震度4強程度)による建物の揺れを1/2~1/3ほど低減して地震時の荷崩れを最小限に抑えます。 防火面では、パレット(保管物を載せる平らで移動可能な台)を支持する棚の2~4段毎に水平区画する鋼板製の水平バリアーを設けて上下の延焼を抑制するとともに、その集熱効果でスプリンクラーの作動時期を早め、さらにスプリンクラーを千鳥格子に配置することにより消火性能も向上します。 また、最大昇降速度100m/分の新型スタッカークレーン(上下左右に自走する荷物搬送用クレーン)の採用により、搬送の効率、安全性が向上します。

これらの技術により従来31mどまりであった立体自動倉庫の高さを、約5割増しの45mに高層化することが可能となりました。この高層化により保管効率、すなわち単位建築面積(倉庫が占める土地の単位面積)当たりの保管量=パレット数が約45%アップし、土地の有効利用が大幅に向上します。なお、倉庫本体の建設費は 約1割程度アップしますが、建物が占める部分の土地代も含めて考えると、従来より有利な事業収支も可能です。今後、当社は同倉庫を流通倉庫業界、メーカーなどに積極的に提案していく考えです。

立体自動倉庫はこれまで配送センターや倉庫の核として導入され、土地の有効活用度を高めるために高層化が図られてきましたが、一般的には、耐震性、防災、搬送性能、建設単価など総合的にみて高さ31mが実用上の限界と考えられていました。 一方、限られた敷地内に、より大きな保管量の倉庫を建てたいというニーズもあり、この場合、少ない土地面積で必要なパレット数を確保するには必然的に高さを31mより高くしなければなりません。「高度防災型立体自動倉庫」は、こうしたニーズに対応可能な“高さ45m級”を実現可能にするもので、以下の特長を持っています。

◆「高度防災型立体自動倉庫」の特長

1.高層化で保管効率45%アップ

倉庫の高さを31mから45mにした場合、パレット数を同じと仮定すれば高くなった分、保管効率(単位建築面積に対する収容量)が約45%アップします。建築面積も30%余り小さくて済みます。

2.極軟鋼を使った制振システムで荷崩れ抑止

ラック最上部の鉄骨梁の継手部に、新開発(特許申請中)の極軟鋼製の制振ダンパーを使って地震エネルギーを吸収し、地震による荷崩れを最小限に抑えます。 なお、荷崩れの検討に必要な“荷すべり量”は、専用に開発した「ラック応答解析プログラム」を使って計画段階でチェックすることができます。


3.高性能の新防火システム

パレットを載せる棚の下部に鋼板 (厚さ1.6mm) 製の水平バリアーを設置し、万一火災が発生しても保管物の上方向の延焼を抑制します。 また、この水平バリアーの集熱効果で火災発生時のスプリンクラー作動時期を早めるとともに、スプリンクラーを千鳥格子に分散配置することで散水効率を高め、初期消火性能を向上させます。


4.新型・高速のスタッカークレーンで荷物の搬送効率向上

新型・高速のスタッカークレーンで荷物の搬送効率向上 倉庫の高さが高くなると保管物の上下搬送距離も当然長くなります。このため、スタッカークレーンの昇降速度を100m/分(従来標準60m/分)と高速化し、搬送効率を高めます。


◆「高度防災型立体自動倉庫」のイメージ図

高度防災型立体自動倉庫」のイメージ図

◆ラック専用制振システムの概要

最上部に制振ダンパー 制振ダンパーの実大実験
最上部に制振ダンパー
最上部の鉄骨梁の継手部に制振ダンパーを設置
制振ダンパーの実大実験
地震による梁の角変形を極軟鋼製制振ダンパーが吸収

中地震に対する計算例
中地震に対する計算例
制振機構により加速度を最大で約2分の1に低減




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