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1998年8月28日


「ビオトープ企画・計画支援システム」を開発
--都市に自然を再生する「ビオトープづくり」に活用--


(株)竹中工務店

当社は、都市におけるビオトープの企画・計画をパソコンで簡便に行える「ビオトープ企画・計画支援システム」を、このほど完成させました。生物種のデータベースを中心に、簡便なパソコンシステムにまとめたのは初めてのことです。
ビオトープ(Bio(生物)+Top(空間))とは、ドイツ語の生態学用語で、「ある種の生物が生息できるために十分な環境が整った空間」のことです。なかでも都市におけるビオトープは身近に生き物がいる空間と考えることができ、日本で言えば昔は都市近郊にも身近にあった「里山」(雑木林など)のようなものです。

日本でも都市部において、昆虫・小動物や植物の生息する身近な「里山」のような空間がどんどん失われつつあるなかで、'90年頃からビオトープに対する関心が高まっています。「ある種の生物が生息できるために十分な環境が整った空間」を部分的にでも再生していこうという中で、都市におけるビオトープづくりが都市緑化を進めるための一つの手法として注目を集めています。
しかし、都市におけるビオトープづくりは、その地に植栽する植物だけではなく昆虫・鳥・小動物などを含めた環境の再生計画であるため、「そこにはどのような生き物が生息できるか」、「その生息環境はどうあるべきか」、「維持運営はどうあるべきか」などを含めた幅広い内容の検討のために、多くのデータと専門知識が必要です。

■ 「ビオトープ企画・計画支援システム」について

今回開発した「ビオトープ企画・計画支援システム」は、パソコンを利用して設計者がより簡便で的確に都市におけるビオトープを企画・計画できるシステムです。
ビオトープの設計者は、まず周辺の自然環境などから計画地が本来持っていた自然環境を把握します。そして当システムを利用して、どのような生き物が生息できるかを抽出し、その中から、目標とする生物の種類を決定し、そのために計画地にどのような環境を導入するかを決定します。また、維持管理のプログラムも立案します。

設計者はこのシステムで得た情報をもとにビオトープの実施設計作業に入り、池や築山などの造形から植物配置や種類などを具体的に計画していきます。
このようにして実現したビオトープが、自然豊かで魅力的な空間になるのは約10年かかるといわれています。しかし、将来的にはそれらが集積していくことで、都市の中にビオトープネットワークが形成され、都市全体として豊かな自然環境の再生が大いに期待されます。

■「ビオトープ企画・計画支援システム」のフロー

フロー表


「ビオトープ企画・計画支援システム」の中核には、都市に生息する可能性のある昆虫・鳥・小動物などの約70種類(現在の都市に生息する可能性のある生き物の種類)の生き物について、その生息に必要な環境の種類、規模、およびその生き物の行動範囲の標準的データを蓄積した生物種データベースが整備されています。これは、㈱生態計画研究所(所在地:東京都新宿区、所長:小河原孝生)の協力を得て制作しました。

当社では、かねてより建築物の周辺やアトリウムに植物を導入するなど、都市緑化には積極的に取り組んできました。また、千葉ニュータウンの小学校(印西市)の協力を得て、校内に実際ビオトープを導入するなど、早くから都市におけるビオトープづくりに注目し取り組んでいます。 今後もビオトープを、都市の緑化、自然再生の有力な方法として、企画段階から積極的に導入し、都市におけるビオトープの企画・計画から維持運営までをトータルに提案していく予定です。

「ビオトープ企画・計画支援システム」画面例

[ホームページ]

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