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1999年6月29日

高木植栽型緑化コンクリートを実用化
淡路景観園芸学校の環境修復実習ゾーンに初の適用

(株)竹中工務店


当社は、緑化のできるコンクリート「緑化コンクリート」を用いた高木植栽システムを開発し、この5月開校した全国初の景観園芸を学ぶ教育研究機関・兵庫県立淡路景観園芸学校(兵庫県津名郡北淡町)の環境修復実習ゾーンで初適用しました。これまで緑化コンクリートの植栽は芝や低木だけでしたが、今後は高木も含めて積極的に提案していきます。

当社などが1993年に共同開発した「緑化コンクリート」は、河川の護岸、造成法面(のりめん)、ダム湖岸など29件の工事物件に適用され、「緑化コンクリート」の特長である「雨や冠水に対して丈夫で、有用な緑化ができる」ことを検証してきました。 ところで、これまで施工した「緑化コンクリート」は、芝など地表を覆うように育つ地被植物や高さの低い潅木が主体で、近年は、もっと緑の量が多い、高さ3mを超すような高木の植栽ニーズも高まってきました。 一般的に切土や岩盤などの斜面は根の伸長や水分の吸収に対して極めて条件が悪く、斜面安定のために通常のコンクリートで表面を覆うと、保水性や空隙が無いため芝や低木はもちろん、穴をあけて高木を植えても生育が困難です。そこで当社技術研究所では、芝や低木での実績を持つ「緑化コンクリート」での高木植栽を目指して、以下のような植栽実験を行ってきました。

◆「緑化コンクリート」の高木植栽実験

当社の技術研究所では、1994年秋から高木の生育実験を開始しました。
縦横1.5×1m、厚さ30cm、傾斜度45°の緑化コンクリートパネル8枚に、高さ2mの高木苗木8本の植栽を行って生育状況を調べました。その結果、根が緑化コンクリート内で順調に伸長し、樹木の成長も良好で高木の生育環境としても適していることが確認できました。

◆「淡路景観園芸学校」への適用

兵庫県立淡路景観園芸学校(学校長:熊谷洋一)は、世界に開かれた公園島をめざして淡路島の北淡町に本年5月に開校された全国初の「景観園芸」の教育研究機関です。
「景観園芸」は、自然や風土を見つめ直して"花と緑を中心に豊かな生活環境や新しい文化を創造する"という視点から園芸、造園、ランドスケープなどを実践的に学ぶ新分野の学問です。当社は同校のキャンパス内に「環境修復実習ゾーン」の造成法面部分(傾斜約30°、面積約45m2)に緑化コンクリートを施工し、芝やアセビなどの低木とともに、今回初めてヤマザクラやタブノキなどの高木の苗木(植栽時で高さ2m~2.5m)を植栽し、環境を修復する技術の実物展示に協力しました。

◆高木植栽緑化コンクリートの効果

今回施工した切土斜面は「マサ土」といわれる完全に風化していない花崗岩で、十分な客土をしないと高木植栽が困難でした。緑化コンクリートにより斜面の安定を図りつつ高木植栽ができたため、林地としての景観や環境を回復できました。また、高木植栽により緑の量が豊かになり、花木や落葉樹などにより四季折々の表情が楽しめる環境を創造することができました。

淡路景観園芸学校の緑化コンクリート(1999年3月竣工)

植栽の内訳
高木:タブノキ1、ヤマモモ2、ヤブツバキ1、ヤマザクラ1、ヤマモミジ1、コナラ2

低木:アセビ2、シャクナゲ2、ビヨウヤナギ2、アジサイ2、ヤマブキ2

緑化コンクリートは
構造的な強度を受け持つコンクリートと植栽基盤が合体した新材料で、粗骨材(砕石など)をセメントペーストだけで固めた連続した空隙を持つコンクリートに、保水材と肥料を充填して、表面上に薄く土を固着させたものです。

緑化コンクリートは
竹中工務店、竹中土木、竹中道路、日本化学工業(株)、日本植生(株)、が1993年に共同開発したもので、これまで29件の施工実績があります。



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