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1999年8月30日

夏休みを利用し短工期で校舎の耐震補強工事を完成
「外殼プレキャストRCフレーム補強工法」を開発・実用化

(株)竹中工務店

当社では、このほど耐震補強工事を短期間に完成させる「外殻プレキャストRCフレーム補強工法」を開発し、夏休みの40日を利用して学校施設の内外装リニューアル工事を含めた耐震補強工事を38日間で完成させました。これは当社通常工期(現場打ちコンクリートの場合)の55日を約30%も短縮するものです。
1995年の阪神淡路地震を契機に、現行の耐震基準に適合しない既存建物改修を促進するため、「建築物の耐震改修に関する法律」が施行され、一定規模以上の既存不適格建築物には耐震診断・耐震改修が義務づけられています。
一方、文部省管轄の学校施設に関しては、耐震診断に加え、耐震補強に対する補助金制度が整うなど、行政からの支援も整備されつつあります。
このたび耐震補強改修工事を行った大阪市の城星学園高校校舎は、4階建ての教室棟と3階建ての円形校舎からなっており、現行の耐震基準への適合を図ることになったものです。

工事に当たって建築主からは、
(1) 耐震改修と校舎内外装リニューアルを夏休み中(40日以内)に完成させること。
(2) 既存校舎の内部空間・開口寸法を確保し、内装完了部分は極力手を加えないこと。
(3) 既存の内外観のデザインをできるだけ保持する改修方法を採用すること。X型、V 型のブレース(すじかい)は窓が狭くなり、室内も暗くなるから採用しないこと。

といった要望がありました。 このため、外部から強度を高める補強法が検討され、耐震補強用の柱と梁を建物外に新たに増設し、既存建物と一体化させる「外殻フレーム補強工法(注)」が採用されました。 ただし、外殻フレーム補強工法は、既存の内部空間や開口をそのまま確保できるという特長を持ちますが、柱と梁を現場打ちコンクリートで建物の外面に増し打ちするため現場作業が多くなり、工期が長くなるというデメリットがあります。


◆外殻プレキャストRCフレーム補強工法の開発

そこで当社では、工期の短縮を図るため「外殻フレーム補強工法」を改良し、増補する鉄筋コンクリート柱をプレキャスト化して工場生産し、工事現場でプレキャストRC(鉄筋コンクリート)柱と既存躯体の接合部にエポキシ樹脂やモルタルを充填して一体化させる「外殻プレキャストRCフレーム補強工法」を開発し今回の工事に採用しました。
工場で生産されたプレキャストRC柱は、合計で 41本。内訳は長さ4mが25本、6mが16本で、建物東側外壁面に9列(1列=長さ6・4・4mの組合わせ)、西側2階以上のセットバック部分に7列(1列=6・4mの組合せ)の柱が既存躯体と一体化されました。
RC柱のプレキャスト化により、内外装リニューアル工事を含めて40日の夏休み期間中にすべての工事を完了することができました。
学校の耐震改修工事は公立校を中心に進められ、現在、私立校に対する行政面からの支援システムも活用されていることから、当社では今回の実績を全国的に展開していく方針です。

(注) 外殻フレーム補強工法
既存建物の外壁まわりの柱、梁の構造体の外側にRC(鉄筋コンクリート)造またはSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造の柱、梁を増設一体化して耐震補強する工法。
今回の補強工事では柱をプレキャスト化し、梁は現場打ちにしています。

プレキャストRC柱
 
改修前の建物外観
  工事完成後の建物外観


◆城星学園高校校舎の建物概要

建築地 大阪市中央区玉造2-23-26
建築主 学校法人 城星学園
構 造 鉄筋コンクリート造
規 模 地上4階・塔屋1階
延床面積 2,521m2
工  期 1999年7月20日~8月26日(38日間)
設計施工 当社(耐震改修工事)
         


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