プロジェクト・ストーリー

PROJECT5 シンガポール・チャンギ国際空港 SINGAPORE CHANGI INTERNATIONAL AIRPORT

世紀を越えていく“想い”の前では言葉も文化も壁ではない—シンガポール・チャンギ国際空港。“世界一の空港”を目指して—

数々の専門機関によるランキングで世界一の座を射止めている、シンガポール・チャンギ国際空港。
1981年開港のこの世界的空港において、開港時から稼働する第1ターミナルは竹中工務店の施工だ。そして今回、2008年5月から行われた大規模増改修も当社が担うことになった。日本を離れ海外で、その国の“顔”とも言える空港の建築に携わった3人。彼らは数多くの困難を乗り越えながら、1つの真理にたどり着いた。

  • 眠ることのない空港で、利用者の快適さを保ちながら工事を行う

    空港はそれぞれの国の“顔”である。国際的なビジネスや観光の拠点となることを、国家的戦略としているシンガポールではなおさらだ。それゆえに改修に際して要求されたのは、空港の稼働を止めないという“居ながら工事”はもちろんのこと、「工事していることに気づかないぐらい」利用者の快適性を損なわないというものだった。

    この課題に挑んだ建築施工の木曽英樹にとって、作業工程の調整が最大のテーマとなる。解体工事やコンクリート打設など、大きな音をともなう工事は夜間に行う。逆に仕上げ作業などの“静かな”工事は昼間に実施。空港からの厳しい要求に対応しながら、人と作業を調整し続けた。 

  • 眠ることのない空港で、利用者の快適さを保ちながら工事を行う
  • 採用から教育、労働環境の整備まで、組織をゼロから作り上げる

    調整に明け暮れたのは、防災設備の連動試験を行った設備施工の高橋一将も同様だ。連動試験を行うには、当然、建築・設備工事ともに完了していなければならない。どこか1カ所の未成工事のために試験スケジュールを遅らせることはできない。

    しかし、プロジェクトメンバーの大半は外国人。国内での工事のように「あうんの呼吸」は通用しない。高橋は足しげく作業現場に通い、進捗状況を確認。リーダーたちに「なぜ今、頑張らないといけないのか」を説いて回った。その結果、作業チーム間での連携は日に日に向上。空港の安全性という重要課題に納得の結果を出すことができた。

    木曽や高橋が作業所で奮闘するなか、それを支えたのが施工事務の前田知宏だ。2人に先駆けてシンガポール入りしていた前田は、スタッフの採用や教育、労務管理などを担当。もちろんその対象は日本人だけでなく、近隣諸国まで含めた多国籍なメンバーにおよぶ。慣れない環境のなかでがむしゃらに課題と取り組む前田の姿は、やがてメンバーの心を打つ。いつしか組織の心は1つになり、自立したチームが誕生するまでになった。

  • 採用から教育、労働環境の整備まで、組織をゼロから作り上げる
  • 敬意と仕事への情熱は国境を越えて人の心を動かす

    言葉が思うように通じずもどかしい日々を送りながらも、3人は同じ境地へとたどり着いた。それは、建物を生み出すためには相手への敬意と仕事への情熱こそが重要だということだ。

    日本人が建物に想いを込めるように、外国人も熱い想いを抱いている。それをかたちにしたいという願いは同じだ。そして、海外でも、工事の最前線では多くの作業メンバーが汗を流してくれている。それを肌で感じ、「いい作品を遺したい」という想いを共有できたとき、国境や国籍は何の意味も持たなくなる。3人は今、世界という舞台で働くことの意義をかみしめている。

  • 敬意と仕事への情熱は国境を越えて人の心を動かす

Employees Message

設備と一体になって工事の調整を行う

工事部門のマネージャーとして、作業メンバーをまとめながら品質と安全、工程の管理を行いました。建築主などへの工事計画の説明や折衝も担当業務です。工事を進めるうえで、建築と設備は常に一体の関係です。互いの進捗状況を常に共有しながら、工事の調整を行いました。

建築施工
木曽 英樹

試験と調整の繰り返しが、すべての設備を正しく稼働させる

火災発生時に防災設備が正しく稼働するかの検査を担当しました。設備を据え付けるためには、建築工事が済んでいることが必須条件。そのため、建築部門との連携は緊密です。事務部門には、現地での暮らしをバックアップしてもらいました。仕事面でも生活面でも、困ったときに頼れる存在です。

設備施工
高橋 一将

スタッフが安心して働ける環境をつくる

スタッフを採用して組織を立ち上げ、労務や経理的役割も担いました。いわば1つの会社に相当する組織の運営です。現地の法律に照らして労働時間や安全基準の指導を行うほか、引っ越しや居住手続きなど、生活面のサポートも行います。海外での施工事務は、業務の幅が国内よりも格段に広いです。

施工事務
前田 知宏