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ローム京都駅前ビル

社会的ストックの再生

  • 環境配慮型ビルへの転換
  • 耐震性・快適性向上によるビルの長寿命化

改修の概要

既存建物は、SRC造、地下2階・地上9階・塔屋2階、延べ面積9,461㎡の規模、基準階プランは片側コアでほぼ矩形の事務室をもつ、南と西面が道路に面した中規模事務所ビルです。
既存構造体を再利用し、内外装仕上および、エレベータを含む設備全般をリニューアルしました。
改修における企画方針として、駅前の都市景観整備に貢献し、地球環境保全を重視する環境配慮型ビルへの転換と同時に、耐震性・快適性向上によるビルの長寿命化を図ることとしました。
そのため、所有者・設計者・施工者が一体となって新築と同等以上の快適な執務環境の実現を目指しました。

JR京都駅から見た改修後の外観 (中央がローム京都駅前ビル)

改修前

全面的に緑化した屋上

都市景観への貢献:塔屋解体・撤去による景観整備と環境配慮

近年、京都では古都の景観を守り、育てる政策に基づく都市景観整備を進めています。 そのため、JR京都駅ビルからの視線を十分に考慮したファサードとし、また、京都タワーからの見下ろしにも考慮した整然とした屋上計画とすることで、駅前の良好な都市景観形成への貢献を目指しました。
既存の塔屋2層のうち、エレベータのマシンルームレス化等で不要となった1層分を解体・撤去して、ファサードと一体化した突出物のない形態に整え、近隣建物と高さを揃えた統一感のあるスカイラインを形成しています。
塔屋解体で減じた荷重を利用して屋上と塔屋壁面を可能な限り緑化し、散水には雨水と空調ドレン水を再利用しています。また、屋上設備機器目隠しを兼ねて太陽光発電パネルを設置しています。

外装改修による性能向上:ダブルスキンカーテンウォール採用による景観整備と環境配慮

ファサードの更新においては、デザイン性、居住性に加えて環境性能の向上を図るため、日射による熱負荷低減を考慮したファサードとするとともに、屋上の緑化を最大限行うことで、都市のヒートアイランド現象の抑制を図っています。
メインファサードとなる南面外装はダブルスキンのガラスカーテンウォールに更新し、夏季ピーク時の熱負荷をリフォーム前と比べ31%低減しています。またカーテンウォールには自然通風機構を導入し、中間期の自然換気に対応しています。
夜間にはカーテンウォール内のLED照明による「京の光暦(ひかりごよみ)」をテーマとした四季折々の光の演出(石井幹子デザイン事務所)も行い、観光都市・京都の玄関口の夜景も含めた都市景観形成に貢献しています。

南西面外観

ダブルスキンカーテンウォール断面

基準階 事務室

全年間1次エネルギー消費量[MJ/m2年]

省エネルギー化と自然エネルギーの利用:室内空間の居住性向上

環境負荷低減を図るため、エネルギー効率の高い設備機器、器具を複合的に導入し、ビル全体として省エネルギー対策に貢献するシステムを構築しました。また、自然エネルギーの風、光、水を有効に利用する建築と設備が融合したシステムを積極的に導入しています。
全館の照明器具にはローム社製LED照明を採用し、省エネ、省メンテナンス化を図っています。
基準階の事務室では、高効率な個別空調システムの導入により、OAフロアを敷設した上で、天井高をリフォーム前より120㎜高くした2.6mの高さを確保しています。また太陽光追尾型電動ブラインド、自然光センサーによる照明自動調光制御を採用し、省エネルギー化を図りながら、より快適な執務空間を実現しています。

耐震性・快適性向上による長寿命化:耐震補強等による安全性・快適性の向上

耐震補強は、執務環境を向上するとともに居住性を妨げない計画とし、長く、安心して利用されるビルを目指しました。 1階の来客用ホールは、白色を基調としたミニマルな内装計画とシームレス管LED照明の特性を生かしたシャープな印象の照明計画により、先進的でクリーンな企業イメージを表現しています。
地下1階は既存飲食店舗を従業員食堂に転用しました。木質系材料と暖色のLED照明により、地下とは思えない明るく暖かい印象のリフレッシュできる空間としています。
地下2階では、設備方式の変更によって縮小した地下機械室部分を会議室に転用し、有効エリアを拡大しています。
耐震性の向上に向け、鉄骨ブレースを西面外壁側に付加し、コの字型配置のバランスの良い耐震補強計画とすることで、南面・西面開口の拡大による開放感と自然採光を増大させつつIS値0.6以上を確保しています。
また非常用エレベータを新たに設置し、さらなる安全性向上を図りました。

基準階耐震壁配置

改修前

改修後

施工:環境に配慮した施工計画

工事においても最大限の環境配慮を行いました。周辺は交通量が多いため搬出入作業に制約を受ける状況でしたが、既存エレベータシャフトやダクトスペースを利用した資材・廃棄物の綿密な搬出入計画により、既存躯体の解体範囲を最小化して廃棄物削減を行うとともに、揚重機も小型化して省エネルギー化を図りました。
また、宿泊施設が複数隣接する京都駅前特有の立地条件により、騒音・振動・塵芥による影響には十分に注意を払い、低騒音・低振動重機の使用や清掃の徹底を行いました。

JR京都駅から見た「京の光暦」をテーマとしたライトアップ時の夜景

建物概要  
用途 事務所
所在地 京都府京都市下京区
竣工 1977年 5月
改修 2010年 3月
建築主 ローム株式会社
改修設計 竹中工務店
改修施工 竹中工務店
建築面積 923.12m2
延床面積 9,461.27m2
構造/規模 SRC造/地下2階、地上9階、塔屋2階