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平城宮跡朱雀門

1300年の時を越え、蘇った天平の威容

伝統工法に活かされる木の寿命は数百年と言われます。
それを支え続ける基礎には、竹中の開発による500年の寿命を目指した超高耐久性コンクリートが採用され、新たな歴史を刻み始めました。

「朱雀門」ってどんな門?

そもそも朱雀門とは、奈良時代の平城宮の正門。平城京の入り口である羅城門から、メインストリートである幅約80mの朱雀大路を北へ4km進んだところに、そびえ建っていました。門の前では、外国使節の送迎・大勢が集まっての歌垣・天皇による新年のお祝いなどが催されていたようです。 高さ20mを超す壮大なスケールに色鮮やかな「朱雀門」の雄姿は、まさに内外への権威の誇示であったと考えられます。

まずは設計図を推理

朱雀門の構造形式に関する資料は残されていません。復原の基本となる設計案は柱の間隔や周囲の溝の遺構など、発掘調査で分かった結果だけを唯一の手がかりとして、現存する他の奈良時代の寺社建築の構造を参考に、専門家によって推理・検討されました。そうしてつくられたいくつかの試案から模型を制作し、更に検討を加える-という作業の繰り返しから、ようやく最終設計にたどり着きました。

本物へのこだわり

工事は、奈良時代建築を出来るだけ忠実に再現するため、主要な木材には国内産のヒノキを用い、仕上げをヤリガンナで削り、丹土(につち)という天然塗料で仕上げる-というように、使用する材料や加工・組立の技術は、可能な限り徹底して当時と同じ本物にこだわりました。発掘調査の出土品から、大きさや文様が分かったも、当時のままに新たに制作されたものが使われました。

正面図

側面図

朱雀門の構造と規模

構造形式 間口5間、奥行き2間 二重門 入母屋造、本瓦葺
建物の規模 間口 25.075m 各柱間 5.015m
奥行 10.030m 各柱間 5.015m
高さ 20.125m
基壇の規模 間口 32.745m
奥行 17.700m 高さ 1.858m(地盤~礎石上)
建物と基壇の面積 建物 251.5m2 基壇 579.6m2

朱雀門建設に要する資材

木材 外から見える木材 590m3
外から見えない木材 360m3
屋根材 丸瓦 11,000枚
平瓦 25,000枚
軒丸瓦 750枚
軒平 750枚
のし瓦 4,300枚
鬼瓦 12個
鴟尾 2個  合計41.800枚
基壇石材 総量 130m3

現代の技術でもっと長生き

古代建築の復原ではありますが、工事にあたっては現行の建築基準法が適用され、耐震対策として、当時にはなかった耐震壁、筋かい等の補強が取り入れられました。また、この建物は500年、出来れば1000年残したいということから、基壇部分に当社が開発した超高耐久性コンクリート「500年コンクリート」が使用されました。現代技術によって新しい息吹を吹き込まれた朱雀門は、後世へむけて長生きすることでしょう。

作業所から・・・

「特殊な純木造建築物ということで話題となり、工事中に何回か行われた一般公開では約9万人もの多勢の人々が訪れ、普段にもまして工程・安全対策・仮設施設設置などには細心の注意を払いました。この工事は古来の材料調達から部材の納まり、そして新たに構造補強と竣工まで実に地道な工事でしたが、この朱雀門という歴史上大変重要な建物の復原に携わることが出来たことは、当社にとって大変貴重な経験になったと思います。日本古来の伝統建築技術を継承する宮大工が減っているので、後継者育成のためにもこの種の復原事業はぜひ続けて頂きたいです。」(松本良一所長談)

工事概要

所在地 奈良県奈良市佐紀町特別史跡平城宮跡地内
建築主 奈良国立文化財研究所
設計 (財)文化財建造物保存技術協会
(財)建築研究協会(構造関係)
監理 (財)文化財建造物保存技術協会
施工 (株)竹中工務店
工期 基壇復原 1991.03.05~1991.09.30
朱雀門復原 1993.12.28~1997.12.25
朱雀門周辺整備 1998.02.02~1998.03.31

朱雀門復原工事(QTM/1,745K)

地図