• 事業活動と環境
  • 地球環境憲章
  • 環境推進ガイドライン
  • 環境マネジメントシステム
  • 環境会計
  • 活動の経緯

サステナブル・ワークスの実験場 東京本店 新社屋

人と地球を「やさしくおもう」
イメージ/コンセプトチャート
設計とエンジニアリングの融合を目指す竹中では、企画・設計・施工・運用にわたるさまざまな領域の対応技術の組み合わせを想定して、プロジェクトの課題に対する解答を発想する。このプロジェクトでは、建築におけるサステナビリティとは何かが問い直された。さらに竹中の強みである設計と施工の連携を得て、オフィススペースとしての環境品質が高く、かつ省エネルギーで環境負荷を抑えた高い環境効率を実現した。



設計・施工の一貫体制の中で、‘ファクター4'を実現した独創的デザイン
PHOTO/東京本社側面
東京本店新社屋側面
新社屋がある江東区新砂1丁目界隈は、東京メトロ「東陽町駅」のすぐそばにひろがっている。この地が選ばれた背景には、関連会社の入居するビルが既にこの地にあり、事業集積によってグループの連携を強化しようとする経営の狙いがあった。竹中は計画決定と同時に「水彩都市江東」を掲げる江東区との協議を行い、区の景観基準に設計を合わせている。高層ビル建設に十分な敷地面積がありながら、敷地の約75%にあたるひろい空地を残し、建物の高さを地上7階+塔屋1階に抑えた。また周辺に点在する緑地ともうまくつながるように、この空地にさまざまな樹木を植えて積極的な緑化を行った。設計は最初から施工と目的や情報を共有する形で行われ、もと東京湾の干潟であった軟弱地盤に液状化対策を施し、さらに 200年に1度の荒川氾濫を想定して、中央監視などの重要室をすべて2階以上に配置し、発電機などの設置場所もすべて地表から 1.5m以上とした。耐震設計は外郭ブレース構造と、内部にコンクリートを充填した鉄骨柱で実現している。外周部に耐震構造要素を集約したことでコアスペースのない、甲殻類のような固い外皮と、自由度の高いやわらかな内部空間が出現した。内部設計ではオフィスワーカーの知的生産性に影響する5要素、すなわち光・温熱・空気質・音・空間環境(スペース、インテリア家具、ITインフラ、収納、清掃機能など)に配慮し、「光の運河」をはじめとする数々の独創的デザインが生まれた。これらの結果得られた建物の CASBEE 評価は、標準的な建物がBEE *2 =1.0 に対して4倍以上であり、‘ファクター4'に匹敵する。なおエネルギー使用量も通常のオフィスビルに比べて約 1/2という低い値となっている。


*1 ファクター4:「豊かさを2倍に、環境負荷を半分に」することで環境効率4倍を達成しようという呼びかけ。ローマクラブのレポート『第1次地球革命』(1992)が提唱した。
*2 BEE:Building Environmental Efficiency の略。建物の環境性能効率のことで、Q (建築物の環境品質・性能)/L (建築物の外部環境負荷)により求めれる。
働き方の変化や、用途転換にも追従する柔軟設計
PHOTO/東京本店 設計部設計課長 菅 順二
設計テーマの1つは、 人びとの知的生産性を刺激しつつ、 ワークスタイルやスペース利用の変化に容易に対応できるオフィス空間を創造することでした。部門内で仕事が完結する時代が過ぎ去ったいま、ナレッジワーカーに求められているのは、部門外のさまざまな人びとと協働してソリューションを創出していくことだからです。さらに私たちは知的生産行為には五感に心地よく、人の感受性を刺激してくれる空間が必要だと考えました。「呼吸する外皮」から導入された外気を利用する空調や、吹抜けから室内に導かれる自然光、斜め上下にもひろい視界が得られる吹抜階段、天井の高い気積の大きなスペースなどは、そこから発想されたものです。もう1つのテーマは用途可変性に配慮することでした。コア部分がなく、天井高が3m以上もある大空間は、将来の部門再配置にも容易に対応できるだけでなく、商業施設や教育施設など、他の用途にも転用できる柔軟性をそなえています。

東京本店 設計部設計課長
菅 順二
BACK
NEXT
レポート本編へ
やさしくつくる やさしくつかう