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「竹中環境シンポジウム2012」開催

イベント

2012年9月21日
竹中工務店

竹中工務店(社長:竹中統一)は、9月19日(水)、当社東京本店で「-安全・生産流通・環境・復興などに貢献する-これからの都市における木造・木質建築」と題して4回目となる※「竹中環境シンポジウム」を開催しました。
国は地球温暖化防止、循環型社会形成、森林保全及び地域経済の活性化のため、「公共建築物等木材利用促進法」を制定するなど積極的に国産木材の使用を奨励しています。当社もこれに賛同して積極的な木材活用を実施しており、今回木造・木質建築をテーマに社内コンペを行い59件の提案の中、選考に残った7つの入選提案をプレゼンテーションし、社外有識者を含む社内外パネラーとの討議を通じて内容を深めました。
提案に対する社外有識者の方々の貴重なご意見を踏まえ、当社の取り組みに役立てていきます。
尚、今回の提案作品と耐火集成材“燃エンウッド®”のミニ展示を東京本店1階に9月29日まで展示しておりますので、東京本店にお立ち寄りの際は是非ご覧ください。

「竹中環境シンポジウム」は、先進的な環境配慮建築を実現する取組の一環として毎年、テーマを決め社内コンペを実施し優秀作品を社内外に発信するもので2009年より行っている。

【当日の実施状況】

シンポジウムは、お客様を含む社外有識者の方々約70名を招き、東京本店2階ホールを主会場とし、7カ所の本支店とTV会議システムで結んで200人以上の従業員も参加し開催しました。
第一部では、林野庁 林政部 木材産業課長 渕上和之氏の来賓挨拶に続き、「木造住宅から木造建築へ」と題し、東京大学生産技術研究所 教授 腰原幹雄氏が基調講演を行い、当社社員による木造・木質建築の取り組みと実プロジェクトの紹介を行いました。

<基調講演の様子>

第二部では、7つの提案発表(プレゼンテーション)で選ばれた最優秀1作品、優秀2作品の3人の発表者と、パネリストの小玉祐一郎氏(神戸芸術工科大学 教授)、松村秀一氏(東京大学工学部建築学科 教授)、腰原幹雄氏(前述)、当社役員2名と共に熱心なパネルディスカッションションを行い、内容を深める充実した討議が行われました。

<パネルディスカッションの様子>

【7つの入選提案】

最優秀作品、優秀作品を含む7つの入選提案の概略は次の通りです。

現在、大阪府と大阪市によって御堂筋の大改造が検討されている。高さ制限の規制緩和による従来のスクラップアンドビルトのまちづくりではなく、既存のオフィスビル躯体を基盤とし、ビル屋上に地上31mの木造住宅地を創造する。木造建築ならではの様々な特長を活かした、人・環境・街にやさしい安心・安全なまちづくりである。屋上木化によって、軒線の連続する御堂筋の美しい街並みを取戻し、地上31mの地平に都心居住型の新たな御堂筋スタイルを提案する。

共同応募者: 寺村雄機、中川聡一郎

<パネリストのコメント>
木材の利活用の場が国内の課題となる中で、不揃いになっているスカイライン、空室率の増加など大阪のメインストリート「御堂筋」の抱えている様々な問題点を屋上に増築する「木造建築」で解決する都市景観まで繋がる優れた提案。新技術「燃エンウッド」を活用した実現性の高いものであり、ぜひ、早期に実現したい提案と言える。

日本の一般的な在来木造建築は、日本特有の環境下での湿気や白アリからの構造体の保護、通気・断熱、材積の合理性などさまざまな問題への対処を、ひとつずつ機能を持った層を加えていくことによって解決し、高性能のスキンを構成するように進化してきた。 この木造の特性を、外部環境と内部環境の境界を調整する所作ととらえ、内外のアクティビティに合わせてそれらの層を調整することによって、新たな質をもった空間を作り出す建築を提案する。

<パネリストのコメント>
「構造体」や「仕上げ材料」としてだけの「木」の使い方を越えて、本来「木」が持っていた特質を積極的に生かすという本質的な課題を解いた提案として高く評価できる。外部から内部環境まで複数の境界を「木」により再構成し、居心地の良さそうな空間の可能性も感じさせる。「日本」を意識した考え方やプレゼンテーションの美しさも特筆すべきもの。

東京都内には木密地域と呼ばれる場所が多くある。高層ビル群がつくる都市と対比的な地域であるが、その表情はとても魅力的で、いきいきとした「いつも」の風景をつくっている。 しかし、首都直下地震の発生が予想される中で、災害に対して脆弱な木密地域は、「もしも」を想定した都市計画による道路拡幅と建物の建替えにより、その在り方が失われようとしている。「いつも」は都市施設、「もしも」のときは防火帯、避難所となる耐火建築物「ウダツ」を挿入する提案をする。

共同応募者: 宮田二郎、渡辺勇太、戸田忠秀、秋谷稔、興松美穂、栗原謙樹、佐田野剛

<パネリストのコメント>
災害に対して脆弱な木造密集市街地(住宅地)に、生き生きとした「いつも」の良さを生かしながら、「もしも」に備える防災的な性能を持つ「木造建築物=ウダツ」を挿入し、様々な形をセミ・オープンに繋げ、面的な広がりを持たせた「木」の空間の提案。新しい路地空間として挿入された「ウダツ」が街と融合した将来の「木」による都市空間の可能性をも予感させるもの。

本作品では、「環境に良い」「美しい都市の景観」「流通・経済」に着目し、間伐材を利用した工事仮設物を提案する。施工中に間伐材は足場や仮囲い、またはテンポラリーパークとなり建設現場の内外で活動の場や安らぎを与える。竣工後には木質の舗装やアーケードとして都市に一部定着させる。足場はテラスや外壁のデザインとなり、仮囲いはエントランスやショーウィンドーなど、建築物によって様々な用途に変化する。災害時には仮設用途などに利用することで建設現場の存在が都市防災の役目も担うこととなる。

共同応募者: 平手千裕、梅田善愛、河合哲夫、榎本弘美、甲斐淳一、日野宏二、松浦真樹、植田道則、地田聡、日下哲、飯野夏樹、山本俊司、土井公人、石田篤芳、有尾清二郎、三島勇輝

東京の中で地産地消できる生産・流通・文化の発信地を提案します。私たちは「木の都市、東京」としてこれからの木造・木質建築が普及していくことを支える、地産地消の「木材文化中心地」を東京湾臨海地域である「中央防波堤」「新木場」「国際展示場」の3つの地域に展開するものです。木を育てるところ、木をつくるところ、木を見せる・買うところを創出し、既存の施設・交通網を利用しながら、繋げていくことで、「木材文化中心地」は東京中の木造・木質建築がつくられる場所になっていく。

共同応募者: 松原祐美子、梁田真史、矢野慶一

今回提案する構法は、「組木細工」という江戸時代からの伝統工芸の技術を建築スケールに置換することで、強度を持った構造物であるだけではなく、「分解・組換え」を可能とし、増減築・改修・移築にも対応できる木造建築である。都市部では、旧耐震基準である築40~50年の中小規模RC、S造は耐震改修か建替の岐路に立っている。中・低層RC・S造に変わる建築システムとして、持続可能な循環型都市を構築し、地域、都市レベルで環境を保全し、風合いある景観を生み出す。

共同応募者: 尾崎直哉

建設業界の枠組みを超えて、他産業とコラボレーションすることやビジョンを共有することによる木造の可能性について提案する。次世代自動車を用いたエコでクリーンな未来はすでに自動車業界によって具体的な未来像が描かれつつあります。そこには、国の次世代自動車に対する戦略指針の後押しのもと、未来の社会に対する明確なビジョンが示されており、今までとは全く違う暮らしがはじまる予感をさせてくれます。自動車産業をはじめとした他産業との共通の未来のビジョンを描くことが求められています。

共同応募者: 江原勇介

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