
大阪ヘルスケアパビリオン
大阪ヘルスケアパビリオンの出展テーマは「REBORN」。大阪の発展を支えてきた木と水を再構築したデザインが施されています。複雑な形状をした膜屋根や、DNAから着想された二重らせん形状の木の柱がひときわ目を引きます。
光・木・水を再構築した次世代環境共生建築

竹中工務店の主な取り組み
当社は施工会社として、品質が高い建物を短工期でつくるため、数々のデジタル技術を適用しました。
BIM(Building Information Modeling)の活用
BIMを使用して、建物を建てる前にコンピュータ上に3次元の建物モデルをつくることで、すべての箇所をさまざまな角度から確認することができます。
大阪ヘルスケアパビリオンの形状は4つの楕円が重なり合う複雑なものであり、2次元の図面だけでは部材の位置関係がわかりにくいケースが少なくありません。特に複雑な膜屋根トラスと鉄骨の納まりについては、両モデルを重ね合わせて、部材の位置、寸法などを見直したり、取り付けの可否や手順を確認したりしました。

屋根トラスの内部で建物外壁の作業を行うには、屋根トラスの形状や工事の進捗に合わせて仮設足場を組む必要があります。ところがその形状の複雑さゆえに、2次元の図面では検討すらできません。
BIMを用いることで、トラスを取り付ける前だけでなく、トラスおよび外壁工事の進捗に合わせた無駄のない足場計画を策定しました。

BIMを利用した仮設足場の数量積算
これまで、随時変化する仮設足場の数量の積算には、多くの手間と時間がかかっていました。このプロジェクトでは、トラスの干渉確認にも利用した足場モデルを用いて、その数量を積算しました。3Dモデル上で範囲を指定するだけで瞬時に部材の種類と数量を積算。大幅な省力化を実現しました。

膜屋根の流水シミュレーション
BIMモデルで作成した屋根の3次元データを利用し、水がどのように流れるかを技術研究所で検証しました。水をムラなく流すノズルの向きや落とし口の水量、地上にある水盤での水の広がりなど、複合的なシミュレーションを行うことで、設計イメージ通りの水の流れを実現しました。
