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名古屋市中区でアゲハチョウなどを対象に蝶の生態調査を実施

~生物多様性保全への貢献を目指し、都市生態系ネットワークづくりに役立つ「名古屋 蝶の飛ぶまちプロジェクト」スタート~

リリース
2010年1月18日
株式会社竹中工務店

竹中工務店(社長:竹中統一)は、環境の豊かさの指標生物である蝶を対象として、蝶の誘致に有効なミニビオトープとなる食草・食樹・蜜源植物を植えたプランターを、名古屋市中区の約10カ所に設置し、そこに飛来した蝶の種類などを2012年11月までの約3年間、調査します。調査結果は一般に公表し、都市の緑地をつないで生物の移動を可能にする都市生態系ネットワークづくりに役立て、人と自然が共生できる都市環境づくりに向けて活用していきます。

<協力企業に設置されたミニビオトープ(プランター)>

蝶を指標とする理由

■蝶の種類別にみる植物との関係

蝶は成虫が吸蜜に利用する植物(蜜源植物)や、幼虫が食べる植物(食草・食樹)が種類ごとに決まっています。本調査では、名古屋市に飛来しうる約24種の蝶が好む植物を約20種類植えています。そこに飛来する蝶の種類や個体数と周辺の環境との関係を調べることで、どのような環境を整えれば周辺の生態系拠点から蝶の誘致が可能になるのかを明らかにします。

<調査対象となる蝶種と植物種の関係表(一部抜粋)、良好なものは○で表示>

■蝶を指標にするメリット

蝶は、環境の豊かさの指標生物として注目されています。すなわち、蝶の種類が多ければ、その地域は環境汚染が少なく、自然が豊富で、環境が多様であるといえます。逆に、緑が多いのに多種類の蝶が確認できなければ、その地域は環境が単調で、多様さが少ないと予想されます。また、蝶がすみやすい多様な環境は、他の生きものにとってもすみやすい環境といえます。

調査概要

都市の再開発やまちづくりにおいて、点在する緑地同士をつないで生物の移動を可能にする都市生態系ネットワークづくりが注目されています。蝶は種類により行動圏が決まっているため、遠くまで移動する際には生息場所、休息場所や採餌場所となる中間地点が不可欠です。
本調査は、都心部の比較的まとまった緑地で蝶の生息場所(供給源)である名城公園周辺と白川公園の2つのコア緑地を中心に行います。両公園間の距離は約2kmあり、蝶の行動圏を考えると行き来しにくい環境でした。事前に行った生物調査や文献に基づき調査対象種を設定し、ミカンやアザミなど約20種類の食草や蜜源植物を植えたプランターを両公園からの距離が適度にばらつくような場所に設置し、蝶の飛来の有無を調査します。

調査手順

1. 約20種の食草・食樹・蜜源植物を植栽したプランターを製作
2. プランターを約10カ所(既存ビルの外構・屋上など)に設置
3. 各プランターに飛来した蝶の種と個体数を調査(2012年11月まで約3年間を予定)
4. コア緑地からの距離や街路樹の状態などが、蝶の飛来にどのような影響を与えるかを総合的に検討し、得られた知見を公表

調査を実施するに至った背景

都市における生物多様性の保全・再生が世界的な課題となっており、本調査も都市の生物多様性保全への貢献を目指しています。
都市が注目される背景として、都市には人口の過半が集中し、資源の約75%を消費しており、都市住民は生物多様性から様々な恵みを受けていることが挙げられます。
都市の自然環境の保全・再生に努力し、人と自然にやさしい都市環境づくりを行っていくことは、都市の持続可能性を高め、地球全体の持続可能性にも貢献すると考えられています。
尚、本活動は2010年10月に開催されるCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)の「COP10パートナーシップ事業(419号)」として生物多様性条約第10回締約国会議支援実行委員会に登録しています。

ご協力いただいている主な設置先

アムナットスクエア、SMBCパーク栄、岡谷鋼機本社ビル、閑林工業、滋賀銀行名古屋支店、中日ビル、名古屋パナソニックビル、名古屋センタービル、名古屋ATビルなど

名城公園と白川公園の2つのコア緑地を考慮しプランターを設置しています。