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2002年7月30日

中間階免震化で小田急百貨店新宿店補強

~工事騒音や振動を抑え入居者の業務に支障をきたさない“居ながらできる免震化工法”~

株式会社 竹中工務店
小田急建設 株式会社

(株)竹中工務店(本社:大阪市、社長:竹中統一)と小田急建設(株)(本社:新宿区、社長:石原道勝)は、小田急電鉄新宿駅ターミナルと小田急百貨店が入居する小田急電鉄(株)(本社:新宿区、社長:北中 誠)所有の「新宿駅西口本屋ビル」の耐震補強工事に、入居者の業務に支障をきたさない「居ながらできる中間階免震化工法」を採用し、主工事である積層ゴム取り付け工事を無事に終了し、7月末に竣工いたします。
この工事は、日本一乗降客の多い新宿駅の真上にある小田急百貨店において、デパートの業務に支障をきたすことなく、地上3階部分の全ての柱を切断して、その間に免震装置を挟み込んだもので、工事による騒音や振動等を極力抑えることによって、入居者の営業を停止させることなく全作業が行われました。


近年、旧耐震設計基準で建設された都心のデパートが地震時の顧客の安全確保、商品の保全などを考慮して、競って耐震補強工事に着手しています。中でも小田急百貨店新宿店では、耐震性のグレードが優れた免震構造の採用により、デパートという不特定多数の客が集まる施設で大地震が発生しても、建物の安全性はもとより、ショーケースから商品が崩れ落ちたり、棚が倒れてお客様が怪我をしたりすることのない「安心してお買い物ができるデパート」を実現しました。


■ プロジェクトの概要

対象となった建物は、小田急電鉄㈱が所有する新宿駅西口本屋ビルで、1階及び地下1階を小田急線新宿駅、2階から上部を小田急百貨店がテナントとして入居する複合型商業施設です。
近年、オフィスビルを始め各種建物の耐震改修(免震・制震改修を含む)が増加傾向にありますが、今回の工事は日本でも有数の集客力を誇る新宿ターミナルの駅施設と百貨店の建物機能を維持しながら、工事に伴う騒音や振動等を極力排除して安全かつ短工期で複雑な改修を実施したもので、周到な施工計画と細部にわたって行き届いた現場管理が施されました。








■ 工事の概要

工事は、駅施設及び百貨店店舗といった複合建物機能に対して、工事中・工事後の影響を最小限に抑えるために、店舗バックヤードとして使用していた中間階である3階部分を免震化した「居ながらできる中間階免震化工法」を採用しています。3階にある32本の柱の中間部を切断して免震支承となる積層ゴムを取り付ける工事では、3本の柱を1組とし、1組の柱を約2週間で施工することにより工期を約5ヶ月以内に短縮し、取付けが完了しました。
柱の切断は、工事用の水が直下階店舗へ漏水するのを防ぐ為に水の使用を抑える工法として、一般的に採用されるワイヤーソーによる柱の切断工法ではなく、コアボーリングとはつりの併用工法を採用しました。上階に店舗が、直下階に鉄道乗務員用仮眠室があるため騒音作業は夜間・早朝合わせて1日4時間程度しか出来ないという制約のもとで工事を実施しました。
また、免震階に減衰装置としてオイルダンパーを8台取り付けることにより、地震エネルギーを効率よく吸収して変形を制御し、隣接建物との衝突を回避します。

コア抜き工程
柱切断
積層ゴム設置完了


■ 施工手順

  1. 柱の切断位置より下部に補強鋼板を取り付ける
  2. 柱周り3ヶ所に仮受支柱を取り付ける
  3. 仮受支柱の負担する重量や変形を計測する機器を取り付ける
  4. 仮受支柱を油圧ジャッキにより押し上げ、柱の負担する建物重量を仮受支柱に移す
  5. コアボーリング及びはつりで柱のコンクリートを切断する
  6. 柱の芯鉄骨を溶断する
  7. 切断した柱の上下面に積層ゴム取り付け用鋼板を取り付ける
  8. 積層ゴムを上下鋼板の間に取り付ける
  9. 油圧ジャッキを開放して積層ゴムに建物重量を移し、仮受支柱を撤去する


■ 耐震補強工事の概要

工事名称
新宿駅西口本屋ビル耐震補強工事
発注者
小田急電鉄株式会社
設計監修
株式会社東京建築研究所
設 計
竹中工務店・小田急建設共同企業体、小田急設計コンサルタント
施 工
竹中工務店・小田急建設共同企業体
工 期
2001年9月~2002年7月(11ヶ月)


■建物の概要

建物名
新宿駅西口本屋ビル(A’ビル)
所在地
東京都新宿区西新宿1-1-3
竣工年
1966年
階 数
地上8階・地下2階・塔屋2階、軒高31m
構 造
鉄骨鉄筋コンクリート造
建築面積
2,467m2
延床面積
20,291m2


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