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2003年3月6日

地震や風に強い安心超高層オフィスビル「梅田DTタワー」がオープン

~ハイブリッド免震システムを採用し免震エレベータも開発~

株式会社 竹中工務店

(株)竹中工務店(本社:大阪市、社長:竹中統一、資本金500億円)では、大阪キタの梅田で超高層オフィスビル「梅田DTタワー」を建設していましたが、このほど竣工し3月6日にグランドオープンしました。

当ビルは「優しさ」「信頼性」「先進性」をコンセプトに新世紀のオフィス空間づくりに取り組んでいたものですが、技術的な特長の1つに地震や風に強い安心ビルとして様々な工夫があります。地震対策では、超高層オフィスビルで世界で初めて採用したハイブリッド免震システム、それに対応した免震エレベータ、風対策では免震装置でもある多機能ダンパーの利用、氷蓄熱槽をおもりに使った振子式制振装置があります。



■ 地震対策

1.地震の揺れを1/2~2/3に低減できるハイブリッド免震システム
このビルは中間階免震構造を採用し、 3階床下部分の中間階に、リニアスライ ダー、鉛プラグ入り積層ゴム、多機能ダ ンパーから構成される免震装置が組み込 まれています。
リニアスライダーは当社と三菱製鋼(株) (本社:東京都、社長:市川 誠)及びTHK(株)(本社:東京都、社長:寺町彰博)が共同 開発したもので、建物の荷重を支える鉛 直荷重支持機能を持ち、12基設置してい ます(右写真)。



鉛プラグ入り積層ゴムは地震動による変位を引き戻すバネの役割をするもので揺れを減衰させます。6基据え付けています(左写真)。






多機能ダンパーは当社とカヤバ工業(株)(本社:東京都、社長:小澤忠彦)が共同開発したもので積層ゴムと同様に揺れを減衰させます。積層ゴムだけでは揺れが長く続くためいち早く減衰させる機能を持っており、6基設置しています(右写真)。

ハイブリッド免震システムは、以上の免震装置によって地震の揺れを1/2~2/3に低減でき、緩やかな横揺れのため、設備機器の破損やコンピュータなどの備品の転倒もほとんど無く、阪神大震災並の地震でもオフィス機能は維持できます。




2.中間階免震エレベータを三菱電機(株)と共同開発
中間階免震建物は、免震装置のある階を境にして上下で揺れが異なるので設備機器の連結部分は大きな影響を受けます。これまでエレベータの安全確保は揺れ幅を想定して下部階にクリアランスを設けたりシャフトを拡大するなどの措置が必要でした。
当社と三菱電機(株)(本社:東京都、社長:野間口 有)が共同開発し、今回初採用した中間階免震建物用エレベータは、建物とガイドレールとの固定間隔を免震層部分のみ大スパン化(当建物では通常の2倍で約6m)し、地震時にガイドレールを免震層の水平移動に合わせて緩やかにたわませることで、エレベータかごの移動経路及び安全性を確保します。ガイドレールの固定間隔を大スパン化すると非常時の急ブレーキによってレールに圧縮力がかかり座屈し易くなりますが、これを防ぐためレールに圧縮力が働かないよう吊り下げ型構造装置を開発しました。
このエレベータは阪神大震災(想定揺れ幅約14cm)の1.5倍の地震でも対応(想定揺れ幅約25cm)できるようになっています。

●中間階免震エレベータの概要
  1. エレベータかごの走行時の安全性を確保するガイドレールは通常3~4mごとに固定されますが、当エレベータの免震層を挟むガイドレールは通常の約2倍にあたる約6mとしています。これによりレールの応力を弾性範囲にとどめ緩やかにたわんで水平変形します。
  2. 免震層より下部のガイドレールは免震層の上部で建物に固定し、下方では上下にスムーズに動くローラ式支持方法をとっています。地震時に引張力・圧縮力が加わっても上下に動いて運行経路を確保します。
  3. 地震時にかごが免震層にある場合、水平方向の荷重に対してはレール連結装置でエレベータかごの脱レールが防止できます。

なお、この度開発・設置した中間階免震建物用エレベータは、既存地下階を活用した免震改修工事において難点であった免震階上部と下部の一体化が図れるため、耐震補強といったリニューアル市場での水平展開も積極的に取り組んでいく方針です。
















■ 風対策

1.多機能ダンパーで台風対策
超高層の免震建物は台風のような強風時には免震装置が働くため普通の建物よりも揺れが大きくなることがあります。
当建物では、10分間の平均風速25m/s以上の強風時には免震装置の1つである多機能ダンパーが自動的に固定・ロックされることにより揺れを防ぎます。

2.氷蓄熱槽をおもりにした振子式制振装置で強風対策
当建物は夜間電力を利用した氷蓄熱空調システムを採用しており、屋上に設置されている氷蓄熱槽をおもりにした振子式制振装置を取り付けています。架台に氷蓄熱槽を吊り下げているもので、強風時には建物の揺れと同調して270トンの氷蓄熱槽2基が揺れることにより建物の揺れを防ぎます。
この振子式制振装置は1989年に開発、大阪ビジネスパークのクリスタルタワーで初採用し今回で7件目の実績になりますが、振子支持部やダンパーをさらに改善しより効率的な装置を実現しています。


■梅田DTタワー建築概要

建 築 地
大阪市北区梅田1丁目10番街区
建 築 主
(株)竹中リアルティ
設  計
(株)竹中工務店
施  工
(株)竹中工務店
工  期
2000年11月~2003年1月31日 (グランドオープン 3月6日)
規  模
地下4階、地上27階(最高高さ130m)
構  造
SRC造、RC造、S造
敷地面積
 3,609.27m2
建築面積
 1,613.80m2
延床面積
47,613.18m2


        梅田DTタワー外観全景写真


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