1997年2月28日 |
|
2002年ワールドカップ開催施設の「大分ドーム」に採用 |
|
(株)竹中工務店 当社は、このほどA種膜材として世界最高の透光性(従来の約2倍)を持つ「25%透光性膜材」を日東ケミファブ(株)(本社・東京都)及びケミファブ社(本社・米国ニューハンプシャー州)と共同開発しました。これを、2002年ワールドカップ開催施設の一つである「大分ドーム」の中央開閉屋根部分の約29,000m2に採用いたします。「25%透光性膜材」は、ドーム内部をより明るい空間とするために開発したもので、膜材に使用するガラス繊維を、これまでとは違う織り方とすることで透光性を高めました。 ◆「平織り」から「モックレノ」に替えて高めた透光性 従来の膜材は、ガラス繊維を格子状に密に織っていく「平織り」といわれる手法が使われていました。この織物をフッソ樹脂や塩化ビニル樹脂などでコーティング(被覆)したものが、一般的に膜材として使われています。 両社では、膜材の透光性をより高めるために、各種の研究を重ねてきました。従来、「平織り」では糸本数を少なくして透光性を高めると、織り時及びコーティング時に糸が自重で伸び切って膜の剛性が高くなり過ぎ、膜のスパンが従来より小さくなり、施工も難しくなることがわかりました。そこで、様々な織り方を検討した結果、ベルトコンベアーに用いられている「モックレノ」という織り方が糸本数が少なくても縦糸が伸び切らないことがわかりました。「モックレノ」は、縦糸・横糸をそれぞれ3本づつまとめ、絡めて織られたもので、この織り方を用いてさらに検討を重ね、適切な剛性を持ち透光性に優れた膜材の開発に成功たものです。「25%透光性膜材」は、(財)日本膜構造協会によりA種膜材(耐久性・防火性・強度などに優れ、特定膜構造建築物の地域、用途、規模の制限が少ない膜材)の認定取得の準備中です。 ![]() ◆「25%透光性膜材」の特長
1. 透光性に優れ、人工照明を大幅に節減。 ◆屋外のような解放感を求める「多目的ドーム」を実現可能 この「25%透光性膜材」は「大分ドーム」に初めて採用いたします。曇天時でも照度2,400ルクス以上を確保できるので、人工照明がなくても十分にプロスポーツの行える空間となります。 東京ドーム以降、福岡、名古屋、大阪と完成して、ドーム建築は今後、民間都市型の野球場ドームから、地方自治体による多目的ドームへと移行するものと思われます。 このような背景の中、地方自治体向けのドーム技術として、屋外に近い解放感のあるドームを求めるニーズを満たす膜材の開発が求められてきました。この「25%透光性膜材」は地方の多目的ドームに対しても汎用的に適用できる膜材として今後も活用を図ります。
<「大分ドーム」の建築概要と完成予想図(夜景)> |