ブックタイトル竹中技術研究報告書No70
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竹中技術研究報告書No70
竹中技術研究報告No.70 2014TAKENAKA TECHNICAL RESEARCH REPORT No.70 2014分の温度を示す。試験体AはPhoto 6~7に示すように,壁裏面付近まで燃え代層が炭化した。またFig. 28によると,深さ85mmまで260℃を超えており,この深さ以上に炭化したことが分かる。一方,試験体BはPhoto 6,8に示すように,壁裏面まで燃え代層の炭化は到達しなかった。Fig. 29によると,深さ45mmまで260℃を超えているが,65mmでは260℃を超えておらず,そこまでは炭化しなかったことが分かる。試験体Aは耐火木造部材と耐火壁との取り合い部で燃え抜け,遮炎性能が無く,判定条件を満たさなかった。一方,試験体Bは遮熱・遮炎性能を満足しており,耐火性能を有すると言える。試験体Bは取り合い部にGB-Fを挿入しており,燃え代層が赤熱燃焼した際にGB-Fの熱容量と水分の潜熱により,赤熱燃焼の継続を断ち切ったことにより燃え抜けが防止できたと推察される。また,目視観察によると加熱開始50分で試験体Aの乾式耐火壁が加熱側に面外変形し,耐火木造柱と取り合う乾式耐火壁のこば面が一部(目視ではボード厚さ程度)炉内に露出した。乾式耐火壁の非加熱面温度は試験体AとBで大きな差が無いことから,この面外変形により乾式耐火壁内部に多量の熱が進入した可能性は低いと考えられるが,乾式耐火壁のLGSと耐火木造の柱の間に高温の気流が進入して燃え代層の燃え抜けを助長した可能性もあると推察され,乾式耐火壁のLGSを耐火木造の柱にコースレット等で固定することは耐火性能の向上に有効であると考えられる。(4)まとめ耐火木造部材と乾式耐火壁との取り合い部において燃え代層が燃え抜ける,または,取り合い部からの熱の進入により非加熱側表面温度が上昇するなどの懸念があり,耐火実験を実施して遮熱性能・遮炎性能を確認した。実験の結果,取り合い部の仕様を以下とすれば,1時間耐火壁の性能を確保できることが確認できた。・乾式耐火壁のLGSと耐火木造部材の間に強化石膏ボード(GB-F)t12.5mmを挿入する。・乾式耐火壁のLGSを強化石膏ボードと共に耐火木造の柱にも固定する。・コーススレッド等の配置は壁芯配置(ただし,炭化深さが壁芯を超えないことが条件)または千鳥配置とする。Photo 4加熱面(加熱前)Heated surface(before test)Photo 5非加熱面(加熱後)Non-heated surface(after test)Photo 6柱断面Cross-section of columnPhoto 7試験体A梁断面Cross-section of beam(specimen-A)Photo 8試験体B梁断面Cross-section of beam(specimen-B)14