ブックタイトル竹中技術研究報告書No70
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竹中技術研究報告書No70
竹中技術研究報告No.70 2014TAKENAKA TECHNICAL RESEARCH REPORT No.70 20142.5音響模型実験以上の検討結果の妥当性検証を目的として,1,000席コンサート形式を模した1/10縮尺音響模型を製作し,音響模型実験を実施した(Photo 3)。実験は基本設計段階の講堂の概形をベースとした条件に加えて,天井形状やPRD拡散体,舞台音響反射板,側壁リブ等の設計変更を模型に反映させた様々な条件で実施した。これに伴い,側壁面に階段状に設けられた縦リブについては,基本設計時には背後空気層を有していたが,吸音による残響音への影響が懸念されたため背後空気層をなくすこととした。さらにオーケストラに対する舞台の有効面積確保のため,平土間最前列の客席一列を撤去し舞台を1m程度拡張する変更も模型に反映させた。舞台上に設置した音源から,模型縮尺にあわせて周波数変換した時間伸長パルスを発生し,各受音位置に設置したマイクロホンで得られる音圧信号をもとに,周波数変換や数値的方法による空気吸収補正等のディジタル信号処理を施し,各伝搬経路のインパルス応答を求めた4)5)。実験により得られたインパルス応答波形の例をFig. 11~12に示す。上述のプロセニアム反射面については有効な初期反射音を広範な客席エリアへ返し効果的に機能していることが確認できる。一方,音響対策なしの条件においPhoto 3音響模型実験(左:模型概形,右:作業概況)1/10 scale model experiment(left: inside of the scale model, right: operating condition)Fig. 11リフレクトグラム例(舞台上にて受音。左:天井Aおよび後壁に処置なし,右:天井Aおよび後壁にそれぞれPRDおよび吸音処置)An example of reflectogram received on stage(left: both of ceiling A and back wall are reflective, right: ceilingA is covered with PRD diffuser and back wall is absorbed)Fig. 12リフレクトグラム例(後部客席にて受音。左:天井形状変更前,右:天井形状変更後)An example of reflectogram received on stage(left: original architectural design, right: the inclination of ceilingB is changed)56