Lunar TOWER 月面の衣食住を支えるインフラとしての塔

Lunar TOWER

月面の有力な居住候補地である極域や縦孔は、険しい地形と深い落差に阻まれ、直接アクセスが困難である。起伏による通信の遮断、不安定なエネルギー供給、危険な移動手段など、月面で人が安全に暮らすためには多くの障壁がある。これらの課題を解決するため、鉛直構造物が必要となる。Lunar Towerは、月面に建設する高さ150mの多機能タワーである。

母なる樹

母なる樹

地球では、何世代にも生き延びた母なる樹が、地下茎に菌根ネットワークを広げて森を守っている。ネットワークにつながった木々に炭素を送り、日陰で栄養が生き届かない幼木の成長を助け、ときには光を届ける。森はただの木々の集合体ではなく、ハブとネットワークを備えた複雑なシステムである。

The Lunar Mother Tree

月には、木も水も空気もなく、無慈悲な自然だけがある。高い宇宙QOLを実現する第一歩として、月の母なる樹(The Lunar Mother Tree)を育てる。これは、荒漠な極域や縦孔にそびえ、ネットワークのハブとなる。木漏れ日の木立のように皆が集まる場所をつくり、QOLを支え、共同体の耐性を強化する。そして、The Lunar Forest、The Lunarscapeとなり、月の文化や社会を映しだすシンボルとなる。

Lunar Towerの構造

軽量で高強度のCFRP製リングフレームを基本部材とし、正四面体の立体トラスユニットを積み上げる構造で、最大高さ150mまで展開可能である。地球からの輸送効率を最大化するため、中型ロケットのペイロード内に同心円状に入れ子式で収納される。一回の打ち上げで150mの塔に必要な全部材を運搬でき、月面ではタワークレーン組み立て技術を応用して建設が完了する。標準化された結合システムによる無人ロボット施工とし、必要に応じた高さの変更や、役目を終えれば解体・再利用が可能な建設方法とする。

Lunar Towerの構造

中型ロケットのペイロード(直径4m・高さ4m)を最大限に活かすため、リング状のフレームと円盤状のミラー、接続ロッドを基本要素とし、全てを効率よく収納する。

Lunar Towerの構造

同一サイズのリングからユニットを積層させる。隣り合うサイズの異径ユニットを上下に接合し、3本の組柱タワーを構成する。

地形に応じて、タワー頂部のユニットを減らしてバラストを変化させ、全体のバランスを成立させる。タワークレーンのクライミング技術を応用し、2本のタワーで立体トラスのクライミングを繰り返して建設する。これらは単純部材による複雑なシステムへの展開であり、全てを自動制御とアルゴリズムにより無人で建設する。

Lunar Towerの構造
Lunar Towerの構造

リングを6分割する位置には軸方向に回転するジョイントを設け、隣接するリング同士をこのジョイント部で緊結する。

Lunar Towerの構造

材料は比強度・比弾性に優れた超高剛性CFRP、リング板厚を各層ごとに調整することで、鉛直剛性のバランスを均整化し、積層数差による鉛直方向変形差を解消することで、自重を均一に月面に伝達する。

Lunar TOWER

Lunar Towerの機能

5つの機能を提供する。縦孔への安全な垂直移動、高い位置から起伏を越えて遠方まで電波を届ける安定通信、太陽光発電による持続的エネルギー供給、道路や管制塔のない月での安全な道標、そして居住エリアへの自然光導入である。これらにより、月面建築の安全性・機能性・快適性を高めることができる。

Lunar Towerの機能

極域や縦孔は、いずれも非平坦地であり、ランダーやローバーでの直接アプローチが非常に困難で、さらに遮蔽物や高低差などによって通信やエネルギーの安定供給も課題となる。月面建築の安全性・機能性・快適性を高めるインフラとして鉛直展開可能な構造物を活用する。

Lunar Towerの機能

月は14日間昼間が続く。湾曲したミラーおよびアンテナを設置し、極域や月面のリッジ等による影(遮蔽物)を乗り越えて発電や通信などの受光期間を拡大し、居住域に、人・モノ・エネルギーを安定供給する。

Lunar TOWER
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