






近年、世界中で宇宙開発が非常に活発になっています。
その中でも、有人宇宙開発は1960-70年代のアポロ計画以来の人類月面着陸の2020年代中の実現が計画されており、大きな盛り上がりを見せています。
また、その先には数十人規模の人々が月に滞在する世界が議論されています。
竹中工務店は建物を設計・施工する会社として、宇宙においても人々がその過酷な環境の中でより快適に生活できること(宇宙QOL)を目指し、宇宙建築やそこでの生活・コミュニティの計画・設計、それを実現するための研究・開発を行っています。
近い将来、選抜された宇宙飛行士が「探査目的」で宇宙に行く時代から、民間の開発者や一般人が「多様な目的」で宇宙へ行く時代がやってきます。宇宙では、まずは安全に生存することが最優先です。宇宙へものを打ち上げるには非常にコストがかかるため、今までの宇宙ステーションは強靭な心身を持つ選び抜かれた宇宙飛行士の我慢を前提とした、快適性よりも機能性中心の住空間でした。より多くの人が月や火星で長期滞在するためには、誰もが安全で機能的で、さらに快適な生活ができる「高いQOL(生活の質)」に配慮された生活空間が不可欠になります。
竹中工務店は無重力・低重力・閉鎖環境でのQOL(Quality Of Life = 生活の質)を「宇宙QOL」と定義・着目し、宇宙空間における快適性、心身の健康について研究、それを実現する居住空間の設計に着手しています。
無重力・低重力・閉鎖環境での宇宙QOL(=生活の質)
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宇宙QOL(Quality of Life in Sapce)
より快適な宇宙建築の実現には、技術開発のみでなく地球上での建築と同様、計画から研究開発、設計、施工の一貫した体制と活動が重要だと考えます。
竹中工務店では設計者・研究者を中心に部署横断・地域横断型の組織「宇宙建築タスクフォース(TSX:Takenaka Space eXploration)」を組成し、様々な学術機関や企業と協力して活動しています。

月面探査最初期のベースキャンプとなる建物から、その先の多くの人が居住しコミュニティが形成されるような大規模空間まで、そこに住む人々の快適な生活を中心としたさまざまな宇宙建築を計画しています。
2040年代の数十人での月面継続滞在やその先のより高度で多彩な月面建築実現のため、ロボットでの探査や少人数の短期滞在モジュールなど、段階ごとの構想・計画を進めています。また、月面居住に必要な建設技術の開発は地上での建築の技術開発と相互に連携しながら進めていきます。
