ゼネコンならではのエンジニアリング力で、
建物の魅力向上に貢献する
濱田 明俊|構造設計(大学院工学研究科地球総合工学修了)
2009
入社・新社員研修
2010
大阪本店
設計部配属
2012 - 2014
ソフトウェア・サービス
本社ビル
技術研究所と初めて協業し、技術開発の面白さに魅了されました。
- ・医療機器向けのシステム開発・販売をしている企業の⾃社ビルの構造設計を任されました。BCP※対応のため、免震構造が求められ、入社3年⽬にして初めて⼤⾂認定ルートの設計を⾏いました。この設計方法では高度な構造計算と技術的な裏付けが求められますが、独自に安全性を検討できるというメリットがあります。
- ・さらに今回は、構造形式として難易度の高い柱梁接合部を採用するため、主担当の先輩に導いてもらいながら、構造実験を行いました。実験に用いる試験体のパラメーターや形状を決定する過程では技術研究所の研究員と議論を重ねている時、構造設計者としての力量を試されているように感じ、一言一言に慎重に答えていたことを今でも鮮明に覚えています。
- ・実験では、想定とは異なる結果もあり、自身の知識や経験の不足を痛感しましたが、その一方で、理論だけでは説明しきれない現象を解き明かしていく技術開発の面白さにすっかり魅了されてしまいました。
- ・これを機に技術研究所への異動の希望が叶い、本プロジェクトの担当だった研究員が上司になりました。2015年からの2年間、研究員としてさまざまな技術開発に携わり、たくさんの⼈に出会うことで視野が広がりました。
- ・そして、この実験結果を日本建築学会⼤会にて発表したことをきっかけに、今に⾄るまで12年連続で継続して学会発表を続け、構造設計者という立場で新たな技術を研究し続けています。
実物大モックアップを構造実験により性能確認
採用箇所
2018 - 2025
淀屋橋ステーションワン
⼊社10年で御堂筋のランドマークとなる超⾼層制振ビルの主担当になりました。
- ・御堂筋の新たなランドマークとなる高さ約150mの超高層プロジェクトの構造設計を担当しました。私にとって初めての制振超高層建物でしたが、大阪で生まれ育った私には、「いつか御堂筋に自ら設計したビルを建てたい」という夢があり、それが実現する一方で、期待とプレッシャーの間で葛藤する日々でもありました。
- ・都市計画上の様々な制約やコンセプトの実現に向けた課題がある中、外周柱の見付け幅を通常より細い500mmに統一するなど、難易度の高い構造計画が求められました。そこで、大学との共同研究により、新たな技術開発にもチャレンジし、スレンダーな外周架構と魅力的な吹抜空間の両立を実現しました。
- ・本プロジェクトでは設計部内の建築・構造・設備設計担当者との連携に加え、技術研究所やエンジニアリング本部とも協働し、多角的な視点から構造安全性の検証を重ねました。大規模プロジェクトならではの醍醐味を味わうとともに、構造設計者としての視野を広げ、大きな成長を実感しながらプロジェクトを推進することができました。
- ・この頃から建築主との窓口としての役割も担うようになり、設計者としての責任の重さをより強く自覚するようになりました。
⻑柱の座屈⻑さを適切に評価するため、エンジニアリング本部と協業し、全体座屈解析による検証を実施。階⾼の⾼い3階を基点とした、層のねじれ・外周柱のスウェイを伴う座屈モード(上図)を確認。
大学と共同開発したダブルレイヤー制振:同⼀構⾯内に層またぎに取り付けたオイルダンパーを交互に配置したもの。2層分の変形を利⽤し、効率的に減衰を付与することが可能な制振機構。
2021 - 2025
森になる建築
⼤阪・関⻄万博に、⽣分解性樹脂を構造材として利⽤した⼤型3Dプリントを用いた仮設建築を
誕⽣させ、ギネス世界記録™に認定されました。
- ・社内で開催された万博アイデアコンペで最優秀賞を受賞し、⼤阪・関⻄万博でそのアイデアを実現することになりました。コンペ提案者の1⼈として、また、プロジェクトを先導する⽴場として、さまざまな社内外関係者との協議を重ね、多くのトライ&エラーを経て、無事に万博での実現に⾄りました。
- ・プロジェクトのコンセプトは、「使い終わったらゴミになるのではなく、⼟に還り、森になる。リジェネラティブな建築」です。その実現に向けて、普段扱っている鉄やコンクリートとは異なる材料を探し出すところからのスタートでした。
- ・構造材料に生分解性樹脂の一種である酢酸セルロースを採用し、最先端の3Dプリンターで施工するという、世界にも例のない建築の実現にチャレンジしました。社内に専門家がいない分野だったため、多様な分野のメンバーによる技術開発チームを編成し、開発を推進しました。実験では課題が次々と発生し、その都度、プロジェクト実現に向けた最適な判断と方向性の決定が求められる日々でした。
- ・試行錯誤を重ねた結果、最適な構造計画を策定し、第三者機関の構造安全審査を経て、日本で初めて「酢酸セルロース造」として建築確認を取得しました。さらに、その成果は「生分解性樹脂を構造材として一体造形した世界最大の3Dプリント建築」としてギネス世界記録™に認定されました。
- ・このプロジェクトを通じて、自身の価値観も大きく変化しました。トークイベントへの登壇や海外の建築祭への出展など、これまでの構造設計業務の枠を超えた活動にも積極的に取り組むようになり、建築が社会や環境とどのように関わるべきかを改めて考える契機となりました。
3Dプリンターによる施工
レベル2風荷重時の変形図(㎜)
FEM解析により構造安全性を検証しています
構造形式:トラス形状の壁を有するシェル構造
2026 -
JR三ノ宮駅前
超高層複合ビルなど
超⾼層複合ビルから⽊造幼稚園など、さまざまな規模・⽤途のプロジェクトを担当しています。
- ・当社の構造設計者は、意匠設計者とともに空間をデザインするという意識を持ち、主体的に作品づくりに取り組んでいます。また、新しいことへの挑戦を後押ししてくれる組織風土も当社の大きな魅力です。当社の社是である「最良の作品を世に遺し、社会に貢献する」ため、これからもエンジニアリング力を最大限に発揮し、建築の新たな可能性を切り拓きながら、建物の魅力向上に挑戦し続けていきます。