—— 「たてものめがね・まちめがね」を通じて、自身の「見え方」は変わりましたか?
⿑藤風結(設計部) 僕は、「展示室1:等身大になる部屋(1/1)」の設計を担当しました。建築の面白さを知ってもらうと言いつつも、入社して研修を終えた直後にプロジェクトに参加したので、実は建築を作ったことがなかった(笑)。だから、本展では鑑賞者と同じ立場で、スケールに対する純粋な学びを得ていました。
「等身大になる部屋」のでき上がった実物を見て、予想よりも迫力や存在感があるとか、あの部分がもの寂しくなったとか、実物大にならないと分からない難しさを実感しました。
田中はつみ(設計部) 私は、「展示室2:スケールを横断する部屋(1/10、1/100、1/1000)」の設計を担当していました。
普段は、設計した建物に対し、建築業界の中での議論がほとんどで、もどかしさを感じることもありました。でも、本展では子供からお年寄りまで、建築業界にとらわれない様々な方々の感想を伺うことができました。また、空間を体験した人の表情を目の当たりにでき、予想通りだったり、予想以上のことが起こったり……貴重な経験でした。
日々の打合せから時間をかけてこの展示空間で何を伝えられるのかを丁寧に考え、それを空間として実践できたので、来場者に建築の面白さが伝わったと実感しました。今後の設計でも、空間を通して何が伝わるのかを考える努力を続けていきたいです。
伊藤万由子(インテリア設計) 「展示室3:たてもの・まちをつくる部屋(1/100)」の担当をしていました。スタッフとして会場に立ち、実際に来場者が1間ブロックで “たてもの・まち” をつくる姿を見て、誰もがこんな “たてもの” があったらいいなという想いを持っていることに気づかされました。子どもの目線だからこそ出てくる面白い発想もあり、きっかけが無いだけで、建築は誰にでも楽しめるということを改めて感じました。
また、社内にある幅広い専門知識に触れることができ、多様な知識をもつ先輩たちと一緒に、色々な挑戦をすることが楽しみになりました。
魚住奈緒美(設計部構造) 「展示室4:これからの技術にふれる部屋(技術展示)」を担当しました。子どもだけでなく、大人も楽しむ光景が目に焼き付いています。どのような建物を作ろうかとイメージを膨らませるのは、何歳になってもワクワクするのだと感じました。
私自身は、建設業に関わりながらもその楽しみを忘れそうになっていたことにハッとしました。仕事としては、コスト面で落としどころを見つける志向になってしまいがちですが、トキメキや初心を忘れずに仕事をしたいと思いました。
高田雄輝(設計部) 本展のプロセスは、時間をかけて行う大規模なプロジェクトでも参考にできると感じました。規模が大きくなると関係者も多く、最初から外装担当、内装担当など役割分担してしまうことがあります。また、建て主自身も気づいてないニーズや価値基準があることも多い。そういう時は、今回のように最初に関係者で、世界観や価値観を共有できれば、結果的にプロジェクトの質の向上に寄与すると感じました。
山口大地(設計部ビジュアライゼーション) 大勢でアートを作るのは初体験で、最初は困惑しました。しかし、表現という意味では普段の業務と共通点が多いと感じました。自分が楽しいと感じること、それを届けたいと思う気持ちを、表現者は強く持たなければいけません。だから自分たちが何を伝えるべきかを問われ続けた1年間でした。そして、一方的ではなく、興味を持ってもらうための伝え方をすること。空間を媒介として、それをバランス良くやることの大切さを学びました。
堀沙樹(開発計画本部) 展覧会中のアンケートで「建築やまちづくりに対して興味をもった」という回答が多く、私たちの思いがきちんと伝わったことを実感しました。また、会場で説明をしていた竹中社員の雰囲気が良かったというご意見も多かったです。企業と社会の接点が非常に大事になっている時代なので、本展が1つの触媒となって当社と社会をつなぐことができたと思います。そして、こうした実践は、都市づくりにもつながると気づきました。
畦上駿斗(開発計画本部) 僕たち開発計画部のメンバーは会期中のイベントを3種類企画して運営しました。 学生向けコンペ、建築以外の領域で活躍している人のトークイベント、来場者向けのワークショップです。竹中工務店をより身近に感じてもらえるイベントにすることを意識していました。忘れられないのは「たてもの・まちをつくる部屋」の光景です。まさか入場人数や時間を制限するほど来場してもらえるとは想像しておらず、それほどまでに楽しんでくれたのが衝撃的でした。
大鶴啓介(開発計画本部) 展覧会のアイコンである虫眼鏡を、アクリルでつくって来場者に配布したところ、大好評でした。展覧会を見た後に外に出て、虫眼鏡を通して色々なものを見てもらい「縮尺を変えれば見方が変わる」ということを実感してもらうための仕掛けです。
会期中は説明員として来場者と接し、直接フィードバックをいただけたので色々な気づきがありました。展示施設をユーザー視点で見ることができたので、この経験を今後の展示施設やパブリックスペースの企画や運営計画にも活かしていきたいと思います。
北森誠人(開発計画本部) チームのメンバーから多くの刺激を受けました。他人の意見を否定しないというルールを最初に決め、懐深く議論を交わす空気感がありました。それが、最終的にだれもが理解し易い表現につながったと感じています。ものづくりをする上で、相手に対する伝え方の大切さ、人としての姿勢を学びました。
“めがね” を彷彿させる「〇」をキーにしてグラフィックを展開。
ロゴも「〇」を使ったレタリングとした
興津 最初リーダーを引き受けた時は、まさか竹中のメンバーで運営までやるとは想像していませんでした。企画とアイデア、空間構成まで考えたものを外部委託して監修するイメージでした。
でも、普段は総合建設会社として企画から設計・施工、現場監理もやって、建築が使われ始めるところまで関わる、それと同じ感覚で最後まで責任も持って徹底的にデザインしたくなってしまった(笑)。みんなが妥協できずに、自分の手で最高のものに仕上げたくなるというあたりが、竹中工務店らしいなと思いました。だから、この展覧会は、設計施工の作品と言っていいと思います。チームメンバーに名は連ねていませんが、社内の多くの人から知見を頂くことができました。オール竹中でできた意義のある作品です。
興津 最初リーダーを引き受けた時は、まさか竹中のメンバーで運営までやるとは想像していませんでした。企画とアイデア、空間構成まで考えたものを外部委託して監修するイメージでした。
でも、普段は総合建設会社として企画から設計・施工、現場監理もやって、建築が使われ始めるところまで関わる、それと同じ感覚で最後まで責任も持って徹底的にデザインしたくなってしまった(笑)。みんなが妥協できずに、自分の手で最高のものに仕上げたくなるというあたりが、竹中工務店らしいなと思いました。だから、この展覧会は、設計施工の作品と言っていいと思います。チームメンバーに名は連ねていませんが、社内の多くの人から知見を頂くことができました。オール竹中でできた意義のある作品です。
“めがね” を彷彿させる「〇」をキーにしてグラフィックを展開。
ロゴも「〇」を使ったレタリングとした