新たな文化芸術の創造拠点となる開かれた劇場
建築設計|ハレミライ千日前
FEATURES01
芸術創造を核としたまちづくり
かつては演芸場や映画館が立ち並ぶ繁華街であったこのまちで、市民が日常の中で文化芸術に触れる風景を再構築し、まちのにぎわいを取り戻すことを目指しました。岡山城と後楽園の関係性をモチーフに、劇場と高層棟を大屋根広場と回廊でつなぎ、新しい景観創造と各機能を有機的に融合させました。外装は水平ラインとランダムな縦リブで構成しています。表情を変える陰影が劇場の創造性と祝祭性を表現し、まちの新たなランドマークとなります。
3つのボリュームとまちに開かれた回廊・広場
FEATURES02
まちに開かれた文化芸術劇場
劇場ホワイエは日常的に開放され、イベントがない日でも気軽に立ち寄り文化芸術に触れる人々の居場所としています。回廊状ホワイエが回遊性を向上させ、まちにつながる接点を増やすとともに、まちなかでも自然を感じられる憩いの空間としています。広場・劇場・住宅が一体となった新たなライフスタイルにより、子どもたちや住民が日常的に文化芸術に触れ、将来の芸術を担うという、世代を超えたサイクルが生まれることを願っています。
施設断面図
FEATURES03
「魅せる」「集う」「つくる」ハレノワ
「ハレノワ」は中四国地方で初となる大・中・小3つの劇場や様々な練習室、ギャラリーを備え、文化芸術における市民参加・創造・発信の拠点として、多様な活動が開かれた空間で展開されます。演劇を中心にオペラにも対応可能なプロセニアム形式の大劇場、実験的な創作活動を中心とし、舞台との視距離を最小とした臨場感のある中劇場、自由度の高い平土間形式の小劇場の3つの劇場が市民の多様な目的に応え、新たな創造活動の拠点となります。
1階平面図
FEATURES04
視線や座り心地を追求した劇場客席設計
大劇場客席は、馬蹄形バルコニーに合わせ緩やかにカーブを描いて配置しています。3層に積み重なる1750席の客席は、どの席からも見やすいよう綿密に視線検証を行い配置を決定しています。客席背板はバルコニー形状に呼応したカーブとすることで、隣席との抜け感を生み出しました。張地は太陽の光やプリズムをイメージし、見る角度によりその煌きが移ろうテキスタイルデザインとしました。客席が劇場内装と一体となり、「ハレの場」を鮮やかに彩りました。
視線シミュレーションにより見やすさと一体感を確保した客席
FEATURES05
豊かな響きと明瞭性を両立する音響設計
中劇場は、舞台芸術とともに可動式音響反射板設置時にはクラシック音楽など生演奏の響きを重視した空間とすべく、当社の室内音響シミュレーションシステムを用いて音響設計を行いました。舞台から客席天井、壁が一体として繋がる形状を検討することで、客席全体に有効な初期反射音が得られ明瞭かつ豊かな響きを客席に届ける計画としました。隣接する大劇場と中劇場の同時利用を考慮し、中劇場は防振ゴムなどにより躯体と絶縁する防振遮音構造を採用することで、高遮音性能を実現しました。
中劇場の音響シミュレーション
FEATURES06
市民の創造性を育む多目的空間の実現
小劇場は平土間形式で、大劇場主舞台と同じ大きさを持ち、舞台リハーサルから一般市民利用まで、多様な目的に応えることができます。アートサロンは大劇場と中劇場に挟まれた位置で両劇場間の音のバッファとして機能させつつ、稽古から講演会までフレキシブルに適応し、屋外テラスとも一体的に利用できます。タワー低層部スタジオは、遮音、遮光、防火を兼ねた連窓を自由に開閉できるようにし、広場とつながる開かれた使い方も可能な市民のための場です。
各所に立体的に配置され、有機的につながる創造支援の場が、市民の創造活動を生み出します。

平土間形式とした地下2階の小劇場

2つの劇場の間に浮かぶ4階のアートサロン

市民が日常的に使うことができるタワー低層部のスタジオ
千⽇前スクエアに表出する市⺠創造活動

國本 暁彦

大竹 大輝
音響設計

板垣 篤恵

相馬 真子