キャンパスを挑戦の場にTRY FIELD
建築設計|立命館大学大阪いばらきキャンパスH棟
FEATURES01
キャンパスのさらなる進化を目指す
2015年に当社設計施工で開設した立命館大学大阪いばらきキャンパス(以下、OIC)への既存2学部・研究科移転に伴う新棟(以下、H棟)の計画です。学校法人立命館の学園ビジョン「R2030 挑戦をもっと自由に」を具現化するため、H棟を起点としたOICのさらなる進化を目指し、TRY FIELDをコンセプトとしました。公園と一体化した塀のないキャンパスというOICの特性を活かし、本計画では、建物内まで地域社会を引き込み、研究活動を地域に開くことで、これまでの大学にはない共創や社会課題の解決を実現するキャンパスを目指しました。
計画地:立命館大学大阪いばらきキャンパス(2015)
(関連記事:https://www.takenaka.co.jp/design/works/ritsumeikan-university-osaka-ibaraki-campus/)
目指すキャンパス像
FEATURES02
地域社会を引き込むための
半屋外広場の挿入と
防災公園とのつながり
計画地は将来展開を見据えて確保していた場所です。OICは「学びの軸」と「市民交流の軸」によって構成され、防災公園と市民開放施設が交流の拠点になっています。本計画では、地域社会を引き込むために学びの軸に面して半屋外広場「TRY SQUARE」を挿入しました。さらに、建物ボリュームの一部を防災公園側に開くことで、H棟のシンボル性を強調しつつ、既存の交流拠点とTRY SQUAREとのつながりを生み出しました。
岩倉公園側に向けてガラスの大開口と大階段を計画
防災公園での賑わいを引き込み、キャンパスの共創の拠点としてH棟を計画
H棟から防災公園をみる
FEATURES03
社会共創を促す多彩なプログラムと新たな出会いを生み出す回遊プラン
地域交流、企業・自治体との連携、研究成果を体験できる研究室など、社会共創を促す施設群をTRY SQUAREを中心に1階に配置しました。 OICの魅力(地域社会に開かれた/文理融合型)を活かし、多彩なプログラムと、新たな出会いを生み出す回遊プランにより、これまでの大学にはない共創拠点を生み出しました。
TERRACE GATE
社会共創を促す施設群を1階に計画
FEATURES04
学びを可視化し、交流を促すための2つの吹抜けとスケール操作
学生の学びを日常的に可視化し、交流と共創を促すために、1~9階を貫く2つの吹抜け空間を設けました。階高や吹抜け形状、スケールを段階的に操作することで、TRY SQUAREは学生や地域住民、企業など、様々な人々が集まる開放的な大空間とし、Innovation Loungeは学生同士の親密なコミュニケーションを促す階段状の小空間としました。
Innovation Lounge
H棟と他棟の断面構成
TRY SQUARE
FEATURES05
「やってみたい」の風土を育む互いを刺激し合う空間づくり
5~9階の研究エリアでは、研究室ごとに閉じこもるのではなく、研究プロセスを可視化し共有できる環境を目指しました。幅4m、長さ100mの「デモストリート」を設け、学生が試行錯誤しながら自由に場を変容できるスケルトン仕様としました。この空間を 「Innovation Lounge」に隣接させることで、研究の賑わいがフロアを超えて広がり、「やってみたい」という風土を育むことを意図しました。
6階平面図
廊下を実験場として設えたデモストリート
FEATURES06
学部の垣根を超えた交流を促すコンコースの継承・外部化・立体化
学部の垣根を超えた日常的な交流を促すため、キャンパスの主動線であるコンコースを継承しました。さらに、コンコースをTRY SQUAREへ接続し、テラスや屋外階段で4階まで連続させることで、フロアを超えたつながりや賑わいを生み出しました。


堀 良平

金澤 潤

田中 はつみ